野火FIRES ON THE PLAIN
野火
残酷な描写が多く、人に勧めるのが難しい作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本・主演
- 塚本晋也
- 原作
- 大岡昇平
- 出演
- 塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也
- 上映時間
- 87分
- 公開
- 2015年7月
あらすじ(ネタバレなし)
1945年、フィリピン・レイテ島。日本軍は既に組織的な戦闘能力を失い、兵士たちは食料もないまま各地をさまよっています。
肺を病んだ一等兵の田村は、部隊からも病院からも追い出され、行き場を失います。「野戦病院に行け、断られたら手榴弾で死ね」と告げられます。
彼は密林をさまよいます。同じように彷徨う兵士たちと出会い、別れ、そして飢えが極限に達したとき、ある選択を迫られます。
ここが見どころ
色の使い方
南国の緑と、血の赤。美しい風景の中で起きているという落差が、この作品を強くしています。
自主製作という選択
商業の枠では撮れないと判断した監督が、自ら製作・脚本・撮影・主演を担いました。
87分という長さ
余計な説明を一切入れず、体験の密度だけで構成されています。
この映画について:自主製作で撮られた、フィリピン戦線の地獄。
1959年の市川崑版とは、方向がまったく違います。市川版が抑制的なのに対し、塚本版は生理的な不快感を直接叩きつけてきます。
戦争を語る際の「悲劇」や「無念」といった言葉を、この映画は使いません。ただ、人が壊れる過程を映します。
難点は、描写があまりに直接的なこと。体調が悪いときには絶対に観ないでください。
この作品の良さ
- 色彩の使い方
- 87分に凝縮した構成
- 戦争を美談にしない姿勢
当サイトの評価
4.1/5.0
自主製作で撮られた、フィリピン戦線の地獄。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.5 |
| 音楽 | 4.0 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.6 |
世間ではどう評価されているか
- ヴェネツィア
- 出品 2014年コンペティション
- 原作
- 大岡昇平 1951年
- IMDb
- 6.8 /10
2014年のヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品されました。
原作は大岡昇平が1951年に発表した小説で、1959年に市川崑監督によっても映画化されています。
こんな人におすすめ
- 戦争の実相を知りたい人
- 残酷描写に耐性がある人
- 塚本晋也作品に関心がある人
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