BRAND NEW DAY
スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ
『ノー・ウェイ・ホーム』で全世界から存在を忘れられたピーター・パーカーの、4年後。派手なシリーズ最新作でありながら、扱っているのは孤独の話。
原作者と監督の組み合わせを見た時点で、おおよその想像はつきます。その想像を裏切らない作品でした。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
文明が崩壊した後の世界。人々は教会の支配下に置かれ、魔術は禁じられています。そんな中で、魔女グレイ・アリスは危険な依頼を受けます。
求められたのは、狼に変身する能力。それを得るためには、〈ロストランズ〉と呼ばれる無法の荒野へ足を踏み入れなければなりません。
案内人として同行するのはボイス。二人は荒野を進みますが、教会が差し向けた処刑人アッシュが背後に迫っていました。
崩壊した都市と荒野を、彩度を落とした画で見せます。ポール・W・S・アンダーソンはこの種の画作りを長年やってきた人で、安定感はあります。
『バイオハザード』シリーズの主演として知られる人で、監督とは長年の組み合わせです。この種のアクション役における身のこなしは相変わらず良い。
寡黙な案内人役で、体格を活かした立ち姿だけで説得力を出しています。台詞が少ないほうが良い俳優だと思います。
ジョージ・R・R・マーティンの短編が原作ですが、『ゲーム・オブ・スローンズ』のような政治劇を期待すると完全に外れます。これは荒野を移動しながら戦うタイプの活劇で、原作の持ち味とは別のところを目指しています。
問題は、CGの処理が全体に均質すぎることです。背景も人物も同じ質感になってしまい、荒野の広さや危険さが身体的に伝わってこない。画としては整っているが、手応えがないという状態が続きます。
脚本も駆け足で、人物の動機に踏み込む余裕がありません。なぜグレイ・アリスが依頼を受けたのか、という部分がもう少し立っていれば、話に芯が通ったはずです。
とはいえ、90分台で始まって終わるタイプの娯楽作としては、これはこれで需要があります。年始の公開作としては気楽に観られる部類でした。
『ゲーム・オブ・スローンズ』原作者の短編を、あの監督が撮る。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.2 |
| 映像美 | 3.8 |
| 音楽 | 3.6 |
| 演技 | 3.4 |
| 余韻 | 3.2 |
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を実写映画化したダークファンタジーです。
監督は『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン、主演はミラ・ジョヴォヴィッチ。長年の組み合わせによる作品で、日本では2026年1月1日に公開されました。
各サービスで「ロストランズ 闇を狩る者」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。