

フェンス
舞台的な作りですが、その密度こそが見どころです。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・主演
- デンゼル・ワシントン
- 原作
- オーガスト・ウィルソンの戯曲
- 出演
- デンゼル・ワシントン、ヴィオラ・デイヴィス、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン
- 製作国
- アメリカ
- 日本公開
- 2017年
- 受賞
- 米アカデミー賞 助演女優賞
あらすじ(ネタバレなし)
1950年代のピッツバーグ。清掃作業員のトロイは、かつて野球の才能に恵まれながら、人種の壁に阻まれてプロになれませんでした。
彼は家族に対して支配的です。息子がアメリカンフットボールの奨学金を得ようとすると、頭ごなしに反対しました。世の中は変わっていないと信じているのです。
妻のローズは、長年その理不尽に耐えてきました。しかしある日、トロイが打ち明けた事実によって、家族の均衡は崩れます。
ここが見どころ
ヴィオラ・デイヴィス
中盤、庭で夫を問い詰める場面があります。この数分でアカデミー賞助演女優賞を取ったと言っていい。
台詞の量
戯曲がそのまま持ち込まれており、台詞が極端に多い。言葉の応酬だけで人物の来歴が積み上がります。
フェンスという比喩
庭に柵を作る作業が全編に置かれます。守るためか、閉じ込めるためかという問いが最後に返ってきます。
この映画について:庭に柵を作りながら、父は家族を締め出していく。
舞台劇の映画化で、ほぼ一軒の家の庭と台所だけで進みます。映画的な工夫は少なく、その点を単調と感じる人はいるでしょう。
しかし演技は圧倒的です。デンゼル・ワシントンとヴィオラ・デイヴィスは、舞台版でも同じ役を演じていました。そのぶん人物が身体に入っています。
主人公は魅力的で、同時に有害です。語りが上手く、そして家族を潰している。この二面性が最後まで解消されません。
人種差別によって夢を奪われた男が、今度は息子の夢を奪う。被害が加害に転じる構造が、静かに描かれます。
この作品の良さ
- ヴィオラ・デイヴィスの演技
- 戯曲の台詞をそのまま活かした密度
- フェンスという比喩の使い方
- 被害が加害に転じる構造
当サイトの評価
庭に柵を作りながら、父は家族を締め出していく。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.1 |
| 映像美 | 3.7 |
| 音楽 | 3.7 |
| 演技 | 4.7 |
| 余韻 | 4.0 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 受賞 助演女優賞(ヴィオラ・デイヴィス)
- 原作
- オーガスト・ウィルソン の戯曲
- 日本公開
- 2017 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
オーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化した作品で、ヴィオラ・デイヴィスがアカデミー賞助演女優賞を受賞しました。
舞台的な作りのため、映画としては単調だという指摘もあります。
こんな人におすすめ
- 会話劇が好きな人
- 俳優の演技を目当てに映画を観る人
- アメリカの人種問題に関心がある人
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