沈黙の艦隊(2023年・邦画)のイメージ
邦画2023年サスペンス2020年代日本

沈黙の艦隊

映像化が難しいと言われた原作を、よく形にしたと思います。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
吉野耕平
原作
かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』
出演
大沢たかお、玉木宏、上戸彩、江口洋介
製作国
日本
公開
2023年
興行収入
13.7億円

あらすじ(ネタバレなし)

日米の極秘協定によって建造された原子力潜水艦「シーバット」。その艦長に任命されたのは、海上自衛隊のエース・海江田四郎でした。

しかし出航直後、海江田は乗組員とともに艦を乗っ取ります。そして艦を「やまと」と改名し、独立国家であると宣言しました。

日米両政府は混乱に陥ります。追跡を命じられたのは、海江田の親友である深町洋。二人の潜水艦乗りの対決が始まります。

ここが見どころ

潜水艦戦の緊張

音だけで相手を探る、という潜水艦ものの定型が丁寧に描かれます。視界のない戦いを、音と表情だけで見せるのは映像化の腕が問われる部分です。

大沢たかおの海江田

何を考えているか分からない指揮官。説明しないことで威圧感を作る造形が、この役に合っています。

安全保障の議論

核抑止、日米関係、独立とは何か。娯楽作の枠内ですが、扱っている問題は重い。

この映画について:原子力潜水艦が、独立国家を宣言する。

原作は1990年代の連載で、当時の国際情勢を背景にしています。それを現代に移して成立させるのは難題でしたが、本作は設定を大きく変えずに乗り切っています。

潜水艦ものとしての作りは手堅い。狭い艦内、音響探知、無言の駆け引き。閉鎖空間の緊張を持続させるという基本を外していません。

一方で、原作の膨大な議論部分は大幅に省略されています。海江田の思想的な背景は説明が薄く、なぜ独立を宣言したのかが分かりにくい。

本作は物語の序盤で終わり、続編が前提の構成です。ここも評価を難しくしている点です。

この作品の良さ

  • 音だけで探る潜水艦戦の描写
  • 大沢たかおの説明しない指揮官像
  • 閉鎖空間の緊張の持続
  • 安全保障という重い主題の導入

当サイトの評価

3.5/5.0

原子力潜水艦が、独立国家を宣言する。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本3.4
映像美3.8
音楽3.6
演技3.7
余韻3.4

世間ではどう評価されているか

原作
かわぐちかいじ の漫画
興行収入
13.7 億円
公開
2023

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

かわぐちかいじの漫画『沈黙の艦隊』の実写映画化です。

物語の序盤のみを扱っており、続編が前提の構成になっています。

こんな人におすすめ

  • 潜水艦ものが好きな人
  • 原作漫画を読んだことがある人
  • 安全保障をめぐる議論に関心がある人

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