キャロルCAROL
キャロル
台詞よりも、目線と沈黙を追ってください。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- トッド・ヘインズ
- 原作
- パトリシア・ハイスミス
- 撮影
- エドワード・ラックマン
- 音楽
- カーター・バーウェル
- 出演
- ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ
- 製作国
- イギリス・アメリカ
- 上映時間
- 118分
- 公開
- 2016年2月(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
1952年、ニューヨーク。百貨店の玩具売り場で働くテレーズは、写真家を志しながらも、自分が何をしたいのかよく分かっていません。
クリスマス前の売り場に、上品な身なりの女性キャロルが現れます。人形を買った彼女は、手袋を置き忘れていきます。
テレーズが手袋を送り返したことから、二人は会うようになります。しかしキャロルは離婚調停中で、娘の親権をめぐる争いの最中でした。
ここが見どころ
16mmフィルムの質感
粒子の粗い映像と、窓ガラス越しの構図が多用されます。「見ている/見られている」関係が、画面設計に組み込まれています。
最後のカット
レストランで顔を上げる一瞬。台詞なしで映画が終わる、屈指の幕切れです。
カーター・バーウェルの音楽
反復する短い旋律。感情を説明せず、ただ持続させます。
この映画について:1950年代のニューヨーク。手袋を一組、置き忘れる。
この映画は、感情をほとんど言葉にしません。肩に置かれた手、車の窓越しの視線、電話の沈黙。それだけで関係の変化が伝わります。
1950年代という設定が単なる背景ではなく、二人が失うものの重さとして機能しています。とくに親権をめぐる争いの描写は容赦がない。
難点は、テンポが非常に遅いこと。刺激を求めると退屈です。
この作品の良さ
- 視線と間による演出
- 16mmの映像の質感
- 最後のカット
当サイトの評価
4.3/5.0
1950年代のニューヨーク。手袋を一組、置き忘れる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.8 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 4.7 |
| 余韻 | 4.6 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- 女優賞 ルーニー・マーラ
- アカデミー賞
- 6部門 ノミネート
- IMDb
- 7.2 /10
2015年のカンヌ国際映画祭でルーニー・マーラが女優賞を受賞しました。アカデミー賞では6部門にノミネートされています。
原作はパトリシア・ハイスミスが1952年に別名義で発表した小説『The Price of Salt』です。
こんな人におすすめ
- 静かな恋愛映画が好きな人
- 画面設計を味わいたい人
- 1950年代の空気に浸りたい人
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