関心領域
これまでのホロコースト映画とは、まったく異なる方法の作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- ジョナサン・グレイザー
- 原作
- マーティン・エイミス
- 音楽
- ミカ・レヴィ
- 出演
- クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラー
- 製作国
- イギリス・ポーランド・アメリカ
- 上映時間
- 105分
- 公開
- 2024年5月(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
1940年代、ポーランド。アウシュヴィッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘスは、妻ヘートヴィヒと五人の子どもとともに、収容所のすぐ隣に建つ家で暮らしています。
庭には花が咲き、温室があり、プールがあります。妻はこの家を「楽園」と呼び、離れることを拒みます。
壁の向こうからは、絶えず何かの音が聞こえています。一家はそれについて、ほとんど何も語りません。
ここが見どころ
音響設計
銃声、叫び、焼却炉の稼働音が、常に背景に流れ続けます。アカデミー音響賞を受賞しました。画面に映らないものを、音だけで存在させています。
固定カメラ
家中に複数のカメラを設置し、演出を最小限にして撮影されました。監視カメラのような距離感があります。
赤外線の映像
夜、食べ物を隠して置く少女。この作品で唯一、抵抗が描かれる場面です。
この映画について:壁の向こうで何が起きているかは、音だけで示される。
この映画が扱うのは、加害そのものではなく「隣で何が起きていても、日常は続けられる」という人間の能力です。題名の「関心領域」は、収容所周辺を指すナチスの用語でもあります。
終盤、現代の映像が挿入されます。この数十秒が、観客を直接名指しします。
難点は、あまりに抑制的で、退屈に感じる人がいることです。ただ、それも設計のうちです。
この作品の良さ
- 音響設計
- 映さないことで示す方法
- 終盤の現代の挿入
当サイトの評価
壁の向こうで何が起きているかは、音だけで示される。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.9 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 5.0 |
世間ではどう評価されているか
- アカデミー賞
- 2部門 国際長編映画賞・音響賞
- カンヌ
- グランプリ 2023年
- IMDb
- 7.4 /10
第96回アカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞を受賞し、作品賞・監督賞にもノミネートされました。
2023年のカンヌ国際映画祭ではグランプリを受賞しています。
こんな人におすすめ
- 歴史を考えたい人
- 音響設計に興味がある人
- 従来と違う方法の作品を観たい人
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