007 ノー・タイム・トゥ・ダイ
15年5作の集大成。シリーズの定型を破る結末を選んだことで、賛否は分かれたが、一つの終わり方としては筋が通っている。
ガイ・リッチーらしくない、という点でむしろ面白い作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
ロサンゼルスの現金輸送会社に、Hと呼ばれる男が採用されます。試験の成績はぎりぎり。同僚たちは彼を軽く見ていました。
しかし襲撃を受けた際、彼は的確に強盗を排除します。その手際は、明らかに一般の警備員のものではありませんでした。
彼が何者で、なぜここにいるのか。時間を遡りながら、その理由が明かされていきます。
会話劇と洒落た編集で知られる監督が、ユーモアをほぼ全て排除しています。低い音の音楽が全編に流れ、終始重い。
時間軸を入れ替え、複数の立場から同じ襲撃を見せます。誰が何を知っていたかが順に明かされます。
派手さより手順を重視した撮り方です。発砲、移動、確認。淡々としているぶん怖い。
ガイ・リッチーといえば軽妙な会話と凝った編集ですが、本作にはその楽しさがほとんどありません。意図的に捨てています。
代わりにあるのは、乾いた復讐です。主人公に感情移入させる仕掛けも薄く、ステイサムはほとんど笑わず、説明もしません。
章立ての構成は効果的で、同じ場面を別の立場から見せることで意味が変わります。ただ、仕掛け自体は特別新しくありません。
フランス映画のリメイクですが、原作の湿った情感は残っていません。好みが分かれるのは、この乾き具合でしょう。
現金輸送車の警備員として入った男の、本当の目的。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.7 |
| 映像美 | 3.9 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 3.8 |
| 余韻 | 3.5 |
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
ガイ・リッチー監督とジェイソン・ステイサムが『リボルバー』以来に組んだ作品です。フランス映画『ブルー・レクイエム』のリメイク。
従来のガイ・リッチー作品にあった軽妙さを排した作風で、評価が分かれています。
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