翔んで埼玉
邦画2019年コメディ2010年代日本

翔んで埼玉

こういう企画は、途中で照れると全部台無しになります。この映画は最後まで照れませんでした。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
武内英樹
原作
魔夜峰央『翔んで埼玉』
出演
二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介、京本政樹、麻生久美子
製作国
日本
公開
2019年
興行収入
37.6億円

あらすじ(ネタバレなし)

その世界では、埼玉県民は東京都民から徹底的に差別されていました。東京へ入るには通行手形が必要で、それがなければ捕らえられます。

東京の名門校に、アメリカ帰りの転校生・麻実麗が現れます。生徒会長の壇ノ浦百美は彼に惹かれていきますが、麗の正体は埼玉県人でした。

麗の目的は、埼玉解放です。差別の構造そのものを壊すため、彼は千葉や群馬をも巻き込みながら、東京へ反旗を翻していきます。

ここが見どころ

本気でやる

設定はふざけていますが、美術も衣装も撮影も一切手を抜いていません。大真面目に作るからバカバカしさが際立つという原理を、完全に理解している作品です。

GACKTと二階堂ふみ

様式的な芝居を全力でやり切る二人の存在が、映画の温度を決めています。とくにGACKTは、この役以外に考えられないほどはまっています。

地域差別のパロディ

埼玉、千葉、群馬、茨城。それぞれの扱いが容赦なく、しかも当事者が笑える線を保っています。誰かを本気で傷つけない範囲を見極めているのが上手い。

この映画について:埼玉県民は、東京に入るのに通行手形が要る。

原作は1980年代の未完の漫画で、映画化のニュースが出た時点では企画の意図が誰にも分かりませんでした。実際に観ると、原作の断片を膨らませて別物を作っていることが分かります。

武内英樹はテレビドラマ出身の監督で、様式的な演出を得意としています。本作でもその作風が全開で、大げさな見得、過剰な音楽、様式的な台詞回しが延々と続く。この密度が笑いを生んでいます。

感心するのは、単なる内輪ネタで終わらせなかった点です。埼玉を知らなくても、「どこかを下に見る」という構造そのものが笑いの対象になっているので、外から観ても機能します。

難点は、後半にやや失速することです。壮大な話になるにつれ、前半の細かい可笑しさが薄まる。ただ、そこまでの勢いで押し切ってしまいます。

この作品の良さ

  • バカバカしい設定を大真面目に作った徹底
  • GACKTと二階堂ふみの様式的な芝居
  • 地域差別の構造そのものを笑いにした
  • 内輪ネタで終わらせない普遍性

当サイトの評価

4.0/5.0

埼玉県民は、東京に入るのに通行手形が要る。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.2
映像美3.9
音楽4.0
演技4.1
余韻3.9

世間ではどう評価されているか

興行収入
37.6 億円
原作
魔夜峰央 の漫画
公開
2019

魔夜峰央が1980年代に発表した未完の漫画を原作とし、興行収入37.6億円のヒットとなりました。

日本アカデミー賞では最優秀脚本賞などを受賞しています。続編も製作されました。

こんな人におすすめ

  • バカバカしい映画を全力で楽しみたい人
  • 関東圏の地理を少し知っている人(より楽しめます)
  • 様式的な演出が苦にならない人

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