スリー・ビルボード(2017年・洋画)のイメージ

スリー・ビルボード

4.3/5当サイトの評価(5点満点)

正義の物語だと思って観ると、途中で立ち位置を失います。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
マーティン・マクドナー
出演
フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル
製作国
アメリカ・イギリス
日本公開
2018年
受賞
米アカデミー賞 主演女優賞・助演男優賞
ジャンル
ドラマ

あらすじ(ネタバレなし)

ミズーリ州の小さな町。ミルドレッドの娘は、7か月前に暴行され殺されました。捜査は進んでいません。

彼女は町外れの朽ちた看板三枚を借り、警察署長を名指しで批判する言葉を掲げます。町は騒然となりました。

署長には署長の事情があり、部下のディクソンは短絡的な暴力で応じます。怒りは連鎖し、誰も引けなくなっていきます。

ここが見どころ

誰にも味方できない構造

被害者の母も、暴力的な警官も、それぞれに理と非があります。安全な立ち位置が用意されていません。

笑いの混ぜ方

重い題材の中に、唐突に可笑しい台詞が入ります。この呼吸がマーティン・マクドナーの持ち味です。

サム・ロックウェル

差別的で無能な警官を演じます。この人物が変化する筋が、本作最大の論点です。

この映画について:娘を殺された母が、警察を名指しで責める看板を立てる。

怒りの連鎖を描いた作品です。正義を求める行為が、別の誰かを傷つけていくという構造が最後まで貫かれます。

フランシス・マクドーマンドが圧倒的です。共感できる被害者としてではなく、頑固で攻撃的な人物として演じています。

一方、差別的な警官が救済されるかのような筋については、公開時から強い批判がありました。人種差別を軽く扱っているという指摘は妥当だと思います。

結末は決着しません。何も解決しないまま、二人が車で走り出して終わります。この宙吊りが本作の正しい着地でしょう。

この作品の良さ

  • 誰にも味方できない構造
  • 重い題材への笑いの混ぜ方
  • フランシス・マクドーマンドの造形
  • 解決を示さない結末

当サイトの評価

4.3/5.0

娘を殺された母が、警察を名指しで責める看板を立てる。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.5
映像美4.1
音楽4.1
演技4.7
余韻4.3

世間ではどう評価されているか

米アカデミー賞
受賞 主演女優賞・助演男優賞
製作国
アメリカ ・イギリス
日本公開
2018

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

アカデミー賞で主演女優賞と助演男優賞を受賞しました。

差別的な警官の描き方については、人種差別を軽く扱っているという強い批判があります。当サイトではその点を明記しておきます。

こんな人におすすめ

  • 答えの出ない作品が好きな人
  • 重い題材に笑いが混ざるのを許せる人
  • 俳優の演技を目当てに観る人

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