EVERYWHEREALL AT ONCE
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
コインランドリーを営む移民女性が、並行世界の自分の能力を借りて戦う。悪ふざけの密度と、母娘の話の真面目さが同居する。
設定が現代的で、95分と短く、よくまとまっています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
オーストラリア、アデレード。母を亡くして2年になるミアは、その死に折り合いをつけられずにいます。
友人たちの間で、ある遊びが流行しています。陶器で覆われた人の手を握り、「話しかけて」と唱えると霊が見え、「入って」と言うと憑依される。90秒以内に手を離せば元に戻ります。
撮影して投稿すれば注目される。ミアはその感覚に取り憑かれていきます。そしてある夜、90秒を超えてしまいます。
俳優の身体だけで憑依を表現します。CGにほとんど頼らず、目と口の動きだけで見せます。
恐怖のはずの体験が、笑いと歓声に包まれる。この温度差が現代的です。
最後の数十秒で、それまで観ていたものの意味が変わります。
監督はYouTubeで活動していた兄弟です。「体験を撮影して共有する」という行為そのものを、依存の装置として描いています。
喪失を抱えた人が、危険と分かっていてもやめられない。その心理の書き方が丁寧です。
難点は、暴力描写がかなり直接的なことと、中盤の人物の判断が納得しにくいことです。
防腐処理された手を握ると、90秒だけ霊が憑く。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.1 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.3 |
低予算のオーストラリア作品ながら、国際的に大きな興行成績を挙げました。
監督のフィリッポウ兄弟は、動画投稿から出発した長編デビュー作です。
各サービスで「トーク・トゥ・ミー」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。