

オールド・オーク
最後まで一貫した人の、最後の作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- ケン・ローチ
- 脚本
- ポール・ラヴァティ
- 出演
- デイヴ・ターナー、エブラ・マリ
- 製作国
- イギリス・フランス・ベルギー
- 日本公開
- 2024年
- 備考
- ケン・ローチの引退作とされる
あらすじ(ネタバレなし)
イングランド北東部の元炭鉱町。産業が消え、住民は貧しく、希望も乏しい場所です。TJが営むパブ「オールド・オーク」だけが、辛うじて残っています。
そこへ、シリアからの難民の家族が移住してきます。住民の一部は露骨に反発しました。自分たちが見捨てられているのに、なぜ、と。
TJは、難民の女性ヤラと関わるうち、閉鎖されていたパブの奥の部屋を使うことを思いつきます。かつて炭鉱労働者たちが共に食事をした場所でした。
ここが見どころ
分断の描き方
排斥する側を単純な悪人にしません。彼らもまた見捨てられていることが、丁寧に描かれます。
共に食べるという主題
「共に食べるとき、人は結束する」という言葉が軸になります。炭鉱時代の記憶と、現在の難民支援がここでつながります。
職業俳優でない出演者
ケン・ローチの手法通り、実際にその土地で暮らす人々が多く出演しています。
この映画について:廃れた炭鉱町に、シリアからの難民がやってくる。
ケン・ローチは60年近く、労働者の側から映画を撮り続けてきました。本作はその最後に置かれた作品です。
難民の受け入れをめぐる分断を扱いながら、反対する住民を切り捨てません。彼らの怒りにも理由があることを描いたうえで、それでも共に食べようと提案します。
楽観的すぎるという批判はあり得ます。現実の分断は、食事を共にした程度では解けません。作品自体もそのことを分かっています。
それでも、この着地は誠実だと思いました。絶望を描いて終わることもできたのに、そうしなかった。長く撮り続けた人の結論として受け止めます。
この作品の良さ
- 排斥する側も切り捨てない描き方
- 共に食べるという具体的な提案
- 土地の人々を起用した手法
- 引退作としての一貫性
当サイトの評価
廃れた炭鉱町に、シリアからの難民がやってくる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.1 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.6 |
世間ではどう評価されているか
- 監督
- ケン・ローチ (引退作)
- 製作国
- イギリス ほか
- 日本公開
- 2024 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
ケン・ローチ監督が引退作と位置づけた作品で、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されました。
結末が楽観的すぎるという指摘もあります。
こんな人におすすめ
- ケン・ローチの作品を観てきた人
- 移民や難民の問題に関心がある人
- 社会派ドラマが好きな人
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