墓泥棒と失われた女神LA CHIMERA
洋画2023年ドラマ2020年代イタリア

墓泥棒と失われた女神

説明は少なく、寓話として進みます。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
アリーチェ・ロルヴァケル
出演
ジョシュ・オコナー、イザベラ・ロッセリーニ、キャロル・デュアルテ
製作国
イタリア・フランス・スイス
上映時間
130分
公開
2024年(日本)

あらすじ(ネタバレなし)

1980年代、イタリア中部。刑務所から出てきたイギリス人のアルトゥーロは、地下に埋まった遺物の在り処を感じ取る能力を持っています。

彼はかつて、恋人ベニアミーナを亡くしました。彼女の母フローラは、娘がまだ生きていると信じています。

アルトゥーロは仲間たちと、エトルリア人の墓を暴いて副葬品を売る仕事に戻ります。しかし彼が本当に探しているのは、別のものでした。

ここが見どころ

フィルムの質感

35mm、16mm、スーパー16を場面で使い分けています。記憶と現実が、質感の違いで区別されます。

地下墓の場面

何百年ぶりかに空気が入る瞬間、壁画の色が失われていく。盗掘の暴力性が、静かに示されます。

最後の赤い糸

説明のない結末。神話の構造がここで完結します。

この映画について:地面の下にあるものを、感じ取ることができる男。

オルフェウスの神話が下敷きになっています。「地下へ降りて、失った女性を連れ戻そうとする男」という構図がそのままです。

アリーチェ・ロルヴァケルは、現実と神話の境目を曖昧にする作家です。前作『幸福なラザロ』と同じ手触りがあります。

難点は、説明が少なく初見では掴みにくいことと、130分がやや長いことです。

この作品の良さ

  • フィルムの質感の使い分け
  • 神話の構造
  • 地下墓の場面

当サイトの評価

4.1/5.0

地面の下にあるものを、感じ取ることができる男。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.0
映像美4.7
音楽4.5
演技4.5
余韻4.5

世間ではどう評価されているか

カンヌ
出品 2023年コンペティション
IMDb
6.8 /10
監督
アリーチェ・ロルヴァケル

2023年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されました。

作中で描かれる「トンバローロ」と呼ばれる盗掘者は、イタリアで実際に社会問題となってきた存在です。

こんな人におすすめ

  • イタリア映画に関心がある人
  • 神話的な作品が好きな人
  • 説明の少ない映画が平気な人

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