墓泥棒と失われた女神LA CHIMERA
墓泥棒と失われた女神
説明は少なく、寓話として進みます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- アリーチェ・ロルヴァケル
- 出演
- ジョシュ・オコナー、イザベラ・ロッセリーニ、キャロル・デュアルテ
- 製作国
- イタリア・フランス・スイス
- 上映時間
- 130分
- 公開
- 2024年(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
1980年代、イタリア中部。刑務所から出てきたイギリス人のアルトゥーロは、地下に埋まった遺物の在り処を感じ取る能力を持っています。
彼はかつて、恋人ベニアミーナを亡くしました。彼女の母フローラは、娘がまだ生きていると信じています。
アルトゥーロは仲間たちと、エトルリア人の墓を暴いて副葬品を売る仕事に戻ります。しかし彼が本当に探しているのは、別のものでした。
ここが見どころ
フィルムの質感
35mm、16mm、スーパー16を場面で使い分けています。記憶と現実が、質感の違いで区別されます。
地下墓の場面
何百年ぶりかに空気が入る瞬間、壁画の色が失われていく。盗掘の暴力性が、静かに示されます。
最後の赤い糸
説明のない結末。神話の構造がここで完結します。
この映画について:地面の下にあるものを、感じ取ることができる男。
オルフェウスの神話が下敷きになっています。「地下へ降りて、失った女性を連れ戻そうとする男」という構図がそのままです。
アリーチェ・ロルヴァケルは、現実と神話の境目を曖昧にする作家です。前作『幸福なラザロ』と同じ手触りがあります。
難点は、説明が少なく初見では掴みにくいことと、130分がやや長いことです。
この作品の良さ
- フィルムの質感の使い分け
- 神話の構造
- 地下墓の場面
当サイトの評価
4.1/5.0
地面の下にあるものを、感じ取ることができる男。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.7 |
| 音楽 | 4.5 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.5 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- 出品 2023年コンペティション
- IMDb
- 6.8 /10
- 監督
- アリーチェ・ロルヴァケル
2023年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されました。
作中で描かれる「トンバローロ」と呼ばれる盗掘者は、イタリアで実際に社会問題となってきた存在です。
こんな人におすすめ
- イタリア映画に関心がある人
- 神話的な作品が好きな人
- 説明の少ない映画が平気な人
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