

糸
企画としては強引なのですが、時代の記録として意外な価値があります。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 瀬々敬久
- 出演
- 菅田将暉、小松菜奈、榮倉奈々、山本美月
- 原案
- 中島みゆき「糸」
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2020年
- 舞台
- 1989年〜現在の北海道ほか
あらすじ(ネタバレなし)
1989年、北海道。中学生の高橋漣と園田葵は出会い、惹かれ合います。しかし葵は家庭の事情で突然姿を消してしまいました。
それから約30年。二人はそれぞれの人生を歩みます。漣はチーズ工房で働き、結婚し、離婚する。葵は東京へ出て、シンガポールへ渡り、事業に失敗する。
平成という時代とともに、二人の人生も浮き沈みを繰り返します。何度もすれ違いながら、糸のように絡まっては離れていく関係の行方が描かれます。
ここが見どころ
平成30年間の年表
バブル崩壊、震災、就職氷河期。個人の物語の背景に、平成の出来事が順番に置かれていきます。時代の記録としての側面が強い作品です。
菅田将暉と小松菜奈
中学生から40代までを演じ分けます。とくに菅田将暉は、年齢による佇まいの変化をきちんと作っています。
楽曲の使い方
「糸」が流れるのは終盤の一度だけです。タイトルにした曲を最後まで取っておくという判断が、効果を高めています。
この映画について:中島みゆきの一曲を、平成30年ぶんの物語にする。
一曲の歌詞から映画を作るという企画は、普通なら破綻します。本作が成立しているのは、「縦の糸」「横の糸」という比喩を、30年という時間軸に展開したからです。
ただ、盛り込みすぎの感は否めません。北海道、東京、シンガポール、介護、事業の失敗、離婚。2時間強に人生を2つ詰め込むため、どの挿話も駆け足になります。
それでも、時代の空気を追う部分は良く出来ています。とくに1990年代から2000年代にかけての描写には、実感を伴った細部があります。
感動を狙う場面は分かりやすく配置されており、そこを狙いすぎと感じる人はいるでしょう。素直に乗れるかどうかで評価が変わる作品です。
この作品の良さ
- 平成30年間を個人史として通した構成
- 菅田将暉の年齢の演じ分け
- 主題歌を最後まで取っておく判断
- 時代の空気の記録としての価値
当サイトの評価
中島みゆきの一曲を、平成30年ぶんの物語にする。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.7 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 4.0 |
| 余韻 | 3.9 |
世間ではどう評価されているか
- 原案
- 中島みゆき 「糸」
- 公開
- 2020 年
- 舞台
- 1989 年〜現在
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
中島みゆきの楽曲「糸」から着想を得て作られた作品です。1989年から現在までの約30年を描いています。
楽曲を原案とした映画としては異例の規模で製作されました。
こんな人におすすめ
- 平成という時代を振り返りたい人
- 長い時間を追う恋愛映画が好きな人
- 菅田将暉・小松菜奈の共演作を観たい人
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