偶然と想像WHEEL OF FORTUNE
AND FANTASY
邦画2021年ドラマ2020年代濱口竜介

偶然と想像

『ドライブ・マイ・カー』が長すぎると感じた人に、まずこちらを勧めています。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
濱口竜介
出演
古川琴音、中島歩、渋川清彦、占部房子、河井青葉
上映時間
121分(3話構成)
公開
2021年12月

あらすじ(ネタバレなし)

第1話「魔法(よりもっと不確か)」。モデルの女性が、友人の惚気話を聞くうちに、その相手が自分の元恋人だと気づきます。

第2話「扉は開けたままで」。単位を落とされた学生が、恋人に頼んで教授を誘惑させようとします。第3話「もう一度」。同窓会の帰り、駅のエスカレーターで二人の女性がすれ違い、互いを旧友だと思い込みます。

ここが見どころ

会話だけで転がる

各話ともほぼ会話だけで構成され、大きな出来事は起きません。言葉の応酬だけで、関係が反転していくのが見どころです。

第3話の勘違い

人違いと分かったあとも会話を続けることにした二人。嘘の上で本当のことを話すという構造が見事です。

この映画について:会話だけの短編が三本。それぞれが完璧。

短編集という形式が非常に効いています。各話40分弱なので、無駄な説明が入る余地がない。会話が始まり、転がり、終わる。

濱口竜介監督の特徴である、感情を込めずに台詞を読ませる演出が、ここではいちばん分かりやすく機能しています。棒読みに近いのに、内容だけが正確に届く。

難点は、映像としての見どころが少ないことです。ほぼ室内と会話。ただ、それを承知で観れば密度は非常に高い。

この作品の良さ

  • 短編集という形式の適切さ
  • 会話だけで関係を反転させる脚本
  • 第3話の構造の巧みさ

当サイトの評価

4.6/5.0

会話だけの短編が三本。それぞれが完璧。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.9
映像美4.2
音楽4.2
演技4.8
余韻4.7

世間ではどう評価されているか

ベルリン
銀熊賞 2021年・審査員グランプリ
IMDb
7.6 /10
形式
短編3本 各40分弱

ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。同じ年に『ドライブ・マイ・カー』も公開され、濱口竜介監督が一気に国際的な評価を得た年の作品です。

こんな人におすすめ

  • 会話劇が好きな人
  • 短編集という形式が好きな人
  • 『ドライブ・マイ・カー』の前に試したい人

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