あちらにいる鬼(2022年・邦画)のイメージ

あちらにいる鬼

3.9/5当サイトの評価(5点満点)

不倫を扱いながら、非難も擁護もしない珍しい作品です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
廣木隆一
原作
井上荒野『あちらにいる鬼』
出演
寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子
製作国
日本
公開
2022年
モデル
井上光晴と瀬戸内寂聴

あらすじ(ネタバレなし)

1960年代。作家の白木篤郎は、妻がありながら多くの女性と関係を持っていました。そのうちの一人が、同じく作家の長内みはるです。

みはるは彼との関係を続けながら、やがて出家を選びます。それでも二人の関係は終わりませんでした。

妻の笹子は、夫の女性関係を知りながら家庭を保ちます。三人の関係は、数十年にわたって続いていきます。

ここが見どころ

断罪しない構え

誰も悪者にされません。不倫を扱いながら道徳的な結論を出さないという態度が、最後まで徹底されています。

妻の視点

広末涼子演じる妻が、単なる被害者として描かれません。彼女なりの選択と計算があることが示されます。

原作者の立場

原作は、作家・井上光晴の実の娘である井上荒野が書いています。父とその愛人を小説にしたという事実が、作品に独特の重みを与えています。

この映画について:作家と、その愛人と、妻。三人が長い時間をかけて向き合う。

実在の作家二人をモデルにしていますが、ゴシップとしての興味に応える作りではありません。三人の関係が、ただ長い時間をかけて描かれます。

寺島しのぶが優れています。惚れている女であり、同時に書くことを手放さない作家でもある。その二つが同居した人物を成立させています。

豊川悦司演じる作家には、擁護できる点がほとんどありません。しかし映画はそれを責めません。この距離が、観る側を落ち着かなくさせます。

淡々としており、盛り上がりはありません。人間関係の推移だけで2時間を持たせる作品なので、退屈と感じる人はいるでしょう。

この作品の良さ

  • 道徳的な結論を出さない構え
  • 妻を被害者に固定しない描き方
  • 寺島しのぶの二面性の演技
  • 原作者と題材の関係が生む重み

当サイトの評価

3.9/5.0

作家と、その愛人と、妻。三人が長い時間をかけて向き合う。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本3.9
映像美4.0
音楽3.8
演技4.4
余韻4.0

世間ではどう評価されているか

原作
井上荒野 の小説
モデル
井上光晴 と瀬戸内寂聴
公開
2022

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

井上荒野の小説を原作とする作品です。原作者の父である作家・井上光晴と、瀬戸内寂聴をモデルにしています。

不倫を扱いながら道徳的な判断を下さない構成が特徴です。

こんな人におすすめ

  • 人間関係の機微を描いた作品が好きな人
  • 断罪しない映画に耐えられる人
  • 文学者の評伝に関心がある人

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