

わたしは、ダニエル・ブレイク
怒りを隠さない作品です。そして、その怒りには理由があります。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- ケン・ローチ
- 脚本
- ポール・ラヴァティ
- 出演
- デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ
- 製作国
- イギリス・フランス・ベルギー
- 日本公開
- 2017年
- 受賞
- カンヌ国際映画祭 パルムドール
あらすじ(ネタバレなし)
イングランド北東部。59歳の大工ダニエルは、心臓発作で医師から就労を止められました。しかし国の審査では「就労可能」と判定されます。
手当を受けるには、求職活動をしている証明が必要です。働いてはいけないのに、働く努力を示さねばならない。彼は窓口をたらい回しにされます。
同じ役所で、二人の子を抱えたシングルマザーのケイティと出会います。互いに助け合う中で、二人はそれぞれの限界に近づいていきます。
ここが見どころ
手続きの描写
電話は繋がらず、書類は差し戻され、担当者は変わります。制度の不条理を、具体的な手順として見せるのが本作の強さです。
フードバンクの場面
中盤、ケイティが空腹に耐えられなくなる場面があります。この数十秒で、貧困の意味が伝わります。
職業俳優でない出演者
主演のデイヴ・ジョーンズはコメディアンで、周囲にも実際の住民が多く起用されています。
この映画について:働けと言われ、働くなと言われ、書類だけが増える。
極めて怒っている作品です。制度が人を助けるためではなく、給付を減らすために設計されているという告発が中心にあります。
手法は単純で、手続きの過程をそのまま見せるだけです。それだけで十分に理不尽が伝わることが、この題材の恐ろしさでしょう。
フードバンクの場面が突出しています。台詞も音楽もなく、ただ空腹に耐えられなくなる。言葉で説明するより強い。
一方的だという批判はあり得ます。役所の職員も含め、全員が制度の被害者として描かれますが、それでも構図は単純です。ただ、この単純さは意図的でしょう。
この作品の良さ
- 制度の不条理を手順として見せる描写
- フードバンクの場面
- 職業俳優でない出演者の起用
- 怒りを隠さない姿勢
当サイトの評価
働けと言われ、働くなと言われ、書類だけが増える。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- パルムドール 2016年
- 監督
- ケン・ローチ
- 日本公開
- 2017 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
2016年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。ケン・ローチにとって2度目の受賞です。
構図が単純だという批判もありますが、福祉制度をめぐる議論に大きな影響を与えた作品とされています。
こんな人におすすめ
- 社会派の作品が好きな人
- 福祉や貧困の問題に関心がある人
- 『オールド・オーク』を観た人
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