わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年・洋画)のイメージ
洋画2016年ドラマイギリス

わたしは、ダニエル・ブレイク

4.4/5当サイトの評価(5点満点)

怒りを隠さない作品です。そして、その怒りには理由があります。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
ケン・ローチ
脚本
ポール・ラヴァティ
出演
デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ
製作国
イギリス・フランス・ベルギー
日本公開
2017年
受賞
カンヌ国際映画祭 パルムドール

あらすじ(ネタバレなし)

イングランド北東部。59歳の大工ダニエルは、心臓発作で医師から就労を止められました。しかし国の審査では「就労可能」と判定されます。

手当を受けるには、求職活動をしている証明が必要です。働いてはいけないのに、働く努力を示さねばならない。彼は窓口をたらい回しにされます。

同じ役所で、二人の子を抱えたシングルマザーのケイティと出会います。互いに助け合う中で、二人はそれぞれの限界に近づいていきます。

ここが見どころ

手続きの描写

電話は繋がらず、書類は差し戻され、担当者は変わります。制度の不条理を、具体的な手順として見せるのが本作の強さです。

フードバンクの場面

中盤、ケイティが空腹に耐えられなくなる場面があります。この数十秒で、貧困の意味が伝わります。

職業俳優でない出演者

主演のデイヴ・ジョーンズはコメディアンで、周囲にも実際の住民が多く起用されています。

この映画について:働けと言われ、働くなと言われ、書類だけが増える。

極めて怒っている作品です。制度が人を助けるためではなく、給付を減らすために設計されているという告発が中心にあります。

手法は単純で、手続きの過程をそのまま見せるだけです。それだけで十分に理不尽が伝わることが、この題材の恐ろしさでしょう。

フードバンクの場面が突出しています。台詞も音楽もなく、ただ空腹に耐えられなくなる。言葉で説明するより強い。

一方的だという批判はあり得ます。役所の職員も含め、全員が制度の被害者として描かれますが、それでも構図は単純です。ただ、この単純さは意図的でしょう。

この作品の良さ

  • 制度の不条理を手順として見せる描写
  • フードバンクの場面
  • 職業俳優でない出演者の起用
  • 怒りを隠さない姿勢

当サイトの評価

4.4/5.0

働けと言われ、働くなと言われ、書類だけが増える。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.5
映像美4.0
音楽3.9
演技4.5
余韻4.7

世間ではどう評価されているか

カンヌ
パルムドール 2016年
監督
ケン・ローチ
日本公開
2017

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

2016年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。ケン・ローチにとって2度目の受賞です。

構図が単純だという批判もありますが、福祉制度をめぐる議論に大きな影響を与えた作品とされています。

こんな人におすすめ

  • 社会派の作品が好きな人
  • 福祉や貧困の問題に関心がある人
  • 『オールド・オーク』を観た人

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