PART III
ゴッドファーザー PART III
16年後に作られた三部作の完結編。単体で見れば水準以上だが、比較対象が悪すぎた。マイケルの結末という一点には意味がある。
『ゴッドファーザー』が神話なら、こちらは実録です。同じ題材でここまで手触りが違うのかと驚きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
ニューヨーク、ブルックリン。少年ヘンリー・ヒルにとって、近所のマフィアたちは憧れそのものでした。学校をさぼって彼らの使い走りを始めた彼は、やがて組織の一員になります。
金、店の特等席、誰にも文句を言われない生活。しかし1970年代に入り、麻薬に手を出したことをきっかけに、仲間内の均衡が崩れ始めます。
裏口から厨房を抜けて店内の特等席まで、切れ目なく続く3分。この生活の心地よさを、体験として観客に味わわせるための場面です。
冗談を言っていたはずが、一瞬で殺気に変わる。「今、笑っていいのか分からない」という緊張を作る芝居で、アカデミー助演男優賞を受賞しています。
この映画の戦略は明確で、前半で犯罪者の生活を徹底的に格好よく見せることです。音楽は軽快で、ナレーションは楽しげで、金は無尽蔵にある。観客も一緒に浮かれる。
そして後半、その全部が崩れます。テンポは変わらないのに、内容だけが悲惨になっていく。特に終盤の一日を描く数十分は、編集の速度と主人公の錯乱が一致していて見事です。
難点は暴力描写の強さと、女性の扱いです。また実録ものである以上、話の起伏が整理されておらず、後半はやや散漫に感じます。
マフィアの生活を、憧れの側から見せてから壊す。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.9 |
| 映像美 | 4.8 |
| 音楽 | 4.8 |
| 演技 | 4.9 |
| 余韻 | 4.6 |
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
第63回アカデミー賞でジョー・ペシが助演男優賞を受賞しました。実在の人物ヘンリー・ヒルの証言に基づく作品で、以降のマフィア作品の描き方に大きな影響を与えています。
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