

ゴッドファーザー PART III
失敗作として語られがちですが、そこまで悪くはありません。ただ、前2作と並べれば落ちるのも事実です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- フランシス・フォード・コッポラ
- 原作・脚本
- マリオ・プーゾ、フランシス・フォード・コッポラ
- 出演
- アル・パチーノ、ダイアン・キートン、アンディ・ガルシア、タリア・シャイア、ソフィア・コッポラ
- 音楽
- カーマイン・コッポラ、ニーノ・ロータ
- 公開
- 1990年
あらすじ(ネタバレなし)
1979年。老いたマイケル・コルレオーネは、事業の合法化を進めていました。慈善財団を設立し、バチカンとの取引を通じて、一族を表の世界へ移そうとしています。
しかし過去は消えません。かつて自分が犯したことへの後悔、離れていった家族、そして裏社会との断ち切れない関係。彼の体も、糖尿病に蝕まれ始めていました。
後継者として頭角を現すのは、兄ソニーの私生児ヴィンセントです。血の気の多い彼に一族を託すべきか。そしてマイケル自身は、贖罪を得られるのか。
ここが見どころ
アル・パチーノの老い
1作目では若者だった人物が、疲れ切った老人として登場します。3作を通して同じ俳優が演じたことの重みが、この造形に出ています。
告解の場面
マイケルが司祭に過去を告白する数分間。三部作を通して最も直接的に感情が出る場面で、ここだけでも観る価値があります。
オペラと並行する終盤
劇場のオペラ上演と、外で進む処刑を交互に見せます。1作目の洗礼式の場面と対をなす構成で、コッポラの得意技です。
この映画について:前2作が高すぎた、その代償を受け続けている完結編。
公開当時から批判の多い作品です。理由の一つは、ソフィア・コッポラの起用でした。監督の娘が急遽重要な役を演じることになり、演技が拙いと集中砲火を浴びた。この批判は本人にとって不当なほど激しいものでした。
作品としての問題は、バチカンの金融スキャンダルという題材が複雑すぎることです。前2作が家族の話として理解できたのに対し、本作は組織の話が前面に出て、感情の線が細くなっている。
それでも、マイケルという人物の結末には意味があります。1作目で家業を継いでしまった次男が、最後に何を得て何を失うのか。三部作を通して観るなら、この結末は必要です。
単体としては水準以上の映画だと思います。ただ、『ゴッドファーザー』という看板を背負った時点で、比較を免れなかった。それが本作の不運でした。
この作品の良さ
- アル・パチーノが3作を通して演じた重み
- 告解の場面の直接的な感情
- オペラと並行する終盤の構成
- マイケルという人物に結末を与えたこと
当サイトの評価
前2作が高すぎた、その代償を受け続けている完結編。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.6 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.7 |
| 演技 | 3.9 |
| 余韻 | 4.0 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 7 部門ノミネート(受賞なし)
- シリーズ
- 完結編 前作から16年後の製作
- 公開
- 1990 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
第63回アカデミー賞で作品賞・監督賞を含む7部門にノミネートされましたが、受賞はありませんでした。
前2作の評価が極めて高いため、比較により厳しく評価されてきた作品です。2020年には監督自身の再編集版も公開されました。当サイトでは1作目・2作目も収録しています。
こんな人におすすめ
- 1作目・2作目を観た人
- 三部作を最後まで見届けたい人
- 評価の低い作品を自分で判断したい人
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