

冬薔薇
救いの少ない作品ですが、突き放してはいません。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 阪本順治
- 出演
- 伊藤健太郎、永瀬正敏、小林薫、真木よう子
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2022年
- ジャンル
- ドラマ
あらすじ(ネタバレなし)
淳は定職に就かず、地元の仲間とつるんで小さな悪事を重ねています。父が営む小さな船舶会社を、時折手伝う程度でした。
父は多くを言いません。息子の行いを知りながら、叱ることも見捨てることもせず、ただ仕事を続けています。
仲間との関係がこじれ、淳は次第に追い込まれていきます。逃げ場を失った彼が最後に向かうのは、父のいる場所でした。
ここが見どころ
父の沈黙
小林薫演じる父は、説教も励ましもしません。何も言わないことが、この作品の中心にあります。
港と船の風景
小さな造船の現場が繰り返し映されます。手を動かす仕事の場が、対比として置かれています。
伊藤健太郎の起用
俳優自身の事情による活動休止を経ての復帰作です。役の内容と重なる部分があり、そのことも含めて受け止められました。
この映画について:何者にもなれない若者と、黙って見ている父。
阪本順治は、社会からはみ出した人物を撮り続けてきた監督です。本作でも、主人公に同情も断罪もしません。
父子の描写が良い。会話はほとんどなく、同じ空間にいるだけの場面が繰り返されます。言わないことで伝わるものを信じた演出です。
一方、物語としては起伏に乏しく、結末も明快ではありません。何かが解決するわけではない。
全体に暗く、娯楽性はほぼありません。それでも最後に残るものはあります。
この作品の良さ
- 何も言わない父の造形
- 手を動かす仕事の場の描写
- 同情も断罪もしない距離
- 会話に頼らない親子の演出
当サイトの評価
何者にもなれない若者と、黙って見ている父。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.6 |
| 映像美 | 3.8 |
| 音楽 | 3.6 |
| 演技 | 4.0 |
| 余韻 | 3.7 |
世間ではどう評価されているか
- 監督
- 阪本順治
- 公開
- 2022 年
- ジャンル
- ドラマ
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
『どついたるねん』『団地』の阪本順治が監督・脚本を務めた作品です。
主人公を同情的にも否定的にも描かない距離が特徴です。
こんな人におすすめ
- 阪本順治の作品が好きな人
- 親子の距離を描いた作品を探している人
- 救いの少ない話に耐えられる人
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