

LOVE LIFE
登場人物の気持ちを説明されたい人には、かなり不親切な映画です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 深田晃司
- 出演
- 木村文乃、永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜、田中真琴
- 製作国
- 日本・フランス
- 公開
- 2022年
- 着想
- 矢野顕子「LOVE LIFE」
- 出品
- ヴェネツィア国際映画祭 コンペティション部門
あらすじ(ネタバレなし)
妙子は夫の二郎と、連れ子の敬太との三人で暮らしています。義父母との関係にはわだかまりがあるものの、生活は穏やかでした。
しかし、ある出来事が起こります。家族は一瞬で壊れました。
そこへ、失踪していた敬太の実の父・パクが現れます。聴覚障害のある彼と妙子の関係が、周囲の人間関係を静かに揺らしていきます。
ここが見どころ
手話の扱い
元夫との会話は手話で行われます。字幕が付かない場面があり、観客も分からないまま置かれる。この扱いが人物の孤立と重なります。
説明の徹底的な省略
登場人物がなぜそうするのかは説明されません。行動だけが示され、理由は最後まで宙に浮きます。
画面の構成
深田晃司らしく、人物を離れた位置から捉える画が多い。感情に寄らないことで、観客が判断する余地を残しています。
この映画について:矢野顕子の一曲から、深田晃司が組み立てた話。
矢野顕子の楽曲から着想を得たと明かされており、歌詞の一節が終盤の場面と直結します。この仕掛けは効いています。
登場人物の行動には、しばしば納得のいく説明がありません。不合理に見える選択が続き、それが放置されます。ここに耐えられるかどうかで評価が割れます。
私は、この不親切さを買います。人が実際に何かを選ぶとき、理由が明確なことのほうが少ない。説明しないことが誠実である場合があると思います。
一方、感情移入を求める観客には辛い作品でしょう。誰にも寄り添わない距離が、最後まで保たれます。
この作品の良さ
- 字幕を付けない手話の扱い
- 行動だけを示して理由を説明しない構成
- 離れた位置から捉える画面
- 楽曲と終盤を結びつけた仕掛け
当サイトの評価
矢野顕子の一曲から、深田晃司が組み立てた話。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.1 |
| 音楽 | 4.0 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.4 |
世間ではどう評価されているか
- ヴェネツィア
- 出品 コンペティション部門
- 着想
- 矢野顕子 「LOVE LIFE」
- 公開
- 2022 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品されました。矢野顕子の楽曲から着想を得ています。
登場人物の心情を説明しない構成については、評価と戸惑いの双方があります。
こんな人におすすめ
- 深田晃司の作品が好きな人
- 説明されない映画に耐えられる人
- ヨーロッパ映画的な距離感が好きな人
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