冬薔薇(2022年・邦画)のイメージ

冬薔薇

3.6/5当サイトの評価(5点満点)

救いの少ない作品ですが、突き放してはいません。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
阪本順治
出演
伊藤健太郎、永瀬正敏、小林薫、真木よう子
製作国
日本
公開
2022年
ジャンル
ドラマ

あらすじ(ネタバレなし)

淳は定職に就かず、地元の仲間とつるんで小さな悪事を重ねています。父が営む小さな船舶会社を、時折手伝う程度でした。

父は多くを言いません。息子の行いを知りながら、叱ることも見捨てることもせず、ただ仕事を続けています。

仲間との関係がこじれ、淳は次第に追い込まれていきます。逃げ場を失った彼が最後に向かうのは、父のいる場所でした。

ここが見どころ

父の沈黙

小林薫演じる父は、説教も励ましもしません。何も言わないことが、この作品の中心にあります。

港と船の風景

小さな造船の現場が繰り返し映されます。手を動かす仕事の場が、対比として置かれています。

伊藤健太郎の起用

俳優自身の事情による活動休止を経ての復帰作です。役の内容と重なる部分があり、そのことも含めて受け止められました。

この映画について:何者にもなれない若者と、黙って見ている父。

阪本順治は、社会からはみ出した人物を撮り続けてきた監督です。本作でも、主人公に同情も断罪もしません。

父子の描写が良い。会話はほとんどなく、同じ空間にいるだけの場面が繰り返されます。言わないことで伝わるものを信じた演出です。

一方、物語としては起伏に乏しく、結末も明快ではありません。何かが解決するわけではない。

全体に暗く、娯楽性はほぼありません。それでも最後に残るものはあります。

この作品の良さ

  • 何も言わない父の造形
  • 手を動かす仕事の場の描写
  • 同情も断罪もしない距離
  • 会話に頼らない親子の演出

当サイトの評価

3.6/5.0

何者にもなれない若者と、黙って見ている父。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本3.6
映像美3.8
音楽3.6
演技4.0
余韻3.7

世間ではどう評価されているか

監督
阪本順治
公開
2022
ジャンル
ドラマ

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

『どついたるねん』『団地』の阪本順治が監督・脚本を務めた作品です。

主人公を同情的にも否定的にも描かない距離が特徴です。

こんな人におすすめ

  • 阪本順治の作品が好きな人
  • 親子の距離を描いた作品を探している人
  • 救いの少ない話に耐えられる人

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