アナと雪の女王
社会現象になりすぎて冷静に語りにくい一本です。何が新しかったのか、そして何が弱いのかを分けて書きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- クリス・バック、ジェニファー・リー
- 原案
- アンデルセン『雪の女王』
- 音楽
- クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス
- 日本語版歌唱
- 松たか子、神田沙也加
- 上映時間
- 102分
- 日本公開
- 2014年3月
あらすじ(ネタバレなし)
アレンデール王国の王女エルサは、触れたものを凍らせる力を生まれ持っていました。幼い日に妹アナを傷つけてしまった彼女は、力を隠すために部屋に閉じこもり、姉妹は長く離れて育ちます。
戴冠式の日、感情の高ぶりから力が暴走し、国は真夏に凍りつきます。山へ逃げたエルサを連れ戻すため、アナは雪山へ向かいます。しかしその途中、彼女自身の心臓が凍りついてしまいます。
ここが見どころ
「ありのままで」の場面
力を隠すのをやめ、氷の城を築き上げる4分弱。抑圧されてきた人物が自分を肯定するという内容が、そのまま曲と映像になっています。ここだけで作品の主題が言えています。
真実の愛の定義
呪いを解くのは王子のキスではありません。ディズニー自身が長年使ってきた型を、自分の手で終わらせたという一点が、この作品の歴史的な意味です。
雪と氷の質感
積雪の踏み跡、氷の透過光、吹雪。物理シミュレーションの水準が当時としては突出しており、いま観ても古びていません。
この映画について:王子様に助けてもらう話を、ディズニー自身が終わらせた。
楽曲の力は圧倒的です。特に『Let It Go』は、場面の内容と曲の構成が完全に一致していて、歌そのものが物語を前に進めている数少ない例だと思います。日本語版の歌唱も含めて、ここは文句なし。
主題も新しい。姉妹の関係を中心に据え、恋愛を物語の解決に使わない。この選択が後のディズニー作品の方向を決めました。
一方で、物語の作りは弱いです。中盤以降の悪役の扱いが唐突で、動機の説明もほとんどありません。エルサが力を制御できるようになる理屈も曖昧なままです。曲の強さで押し切っているぶん、筋を追うと粗が目立ちます。
この作品の良さ
- 楽曲が物語を前に進める構成
- 恋愛を解決に使わないという選択
- 雪と氷の質感表現
当サイトの評価
王子様に助けてもらう話を、ディズニー自身が終わらせた。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.9 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.9 |
| 演技 | 4.2 |
| 余韻 | 3.9 |
世間ではどう評価されているか
- 日本 興行収入
- 254.8 億円
- 米アカデミー賞
- 2冠 長編アニメ映画賞・歌曲賞
- IMDb
- 7.4 /10
日本での興行収入は254.8億円で、2014年の年間1位。日本の歴代興行収入でも長く上位に位置し続けています。米アカデミー賞では長編アニメ映画賞と歌曲賞を受賞しました。
日本での当たり方は世界的に見ても突出しており、日本語版の主題歌が独立してヒットしたことも含めて、社会現象として記憶されています。
こんな人におすすめ
- 家族で観られる作品を探している人
- ミュージカルアニメが好きな人
- ディズニー作品の変化に興味がある人
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