ディア・ファミリー(2024年・邦画)のイメージ
邦画2024年ドラマ2020年代日本

ディア・ファミリー

感動作の体裁ですが、扱っているのは失敗の話でもあります。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
月川翔
原作
清武英利『アトムの心臓』
出演
大泉洋、菅野美穂、福本莉子、川栄李奈
製作国
日本
公開
2024年
興行収入
14.7億円

あらすじ(ネタバレなし)

町工場を営む坪井宣政は、次女の佳美が心臓に重い疾患を抱えていることを知ります。余命は10年と告げられました。

国内外の医師を訪ね歩いても、治療法は見つかりません。宣政は、それなら自分で人工心臓を作ると決めます。医学の知識はまったくありません。

研究者に教えを乞い、試作を重ね、資金を注ぎ込む日々。しかし人工心臓の開発は、素人が短期間で成し遂げられるものではありませんでした。

ここが見どころ

届かなかったという事実

この物語の核心です。人工心臓は完成しませんでした。感動作の形をとりながら、失敗を失敗として描いています。

別の形での結実

その過程で得た技術が、別の医療機器につながっていきます。目標に届かなくても無駄ではなかったという着地は、実話ゆえの説得力があります。

大泉洋の抑制

熱血漢として描かれがちな役柄を、疲労と焦りを含めて演じています。コメディの印象が強い俳優ですが、この役では抑えています。

この映画について:娘の心臓を治すため、町工場の父が人工心臓を作ろうとする。

実話ベースの感動作という枠組みですが、中心にあるのは失敗の記録です。父の挑戦は目標を達成できず、娘の病も治りません。この事実を変えずに映画にしたのは立派です。

その代わりに描かれるのが、開発の過程で生まれた技術の行方です。目的とは違う形で、多くの人を救うことになる。この転換が物語の芯になっています。

泣かせる場面は明確に配置されており、演出は直接的です。ここを狙いすぎと感じる人はいるでしょう。

家族の描写も丁寧で、とくに娘自身が自分の状況をどう受け止めていたかという部分に時間が割かれています。父の物語だけにしていない点が良い。

この作品の良さ

  • 目標に届かなかった事実を変えずに描いた
  • 別の形で結実するという着地
  • 大泉洋の抑えた演技
  • 娘自身の視点にも時間を割いた構成

当サイトの評価

3.8/5.0

娘の心臓を治すため、町工場の父が人工心臓を作ろうとする。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本3.7
映像美3.7
音楽3.8
演技4.1
余韻4.0

世間ではどう評価されているか

原作
清武英利 『アトムの心臓』
興行収入
14.7 億円
公開
2024

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

清武英利のノンフィクション『アトムの心臓』を原作とする、実話にもとづく作品です。

人工心臓の開発は達成されなかったという事実を変えずに描いている点が特徴です。

こんな人におすすめ

  • 実話ベースの作品が好きな人
  • 家族の物語で泣きたい人
  • ものづくりの話に関心がある人

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