ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年・邦画)のイメージ

ぼくが生きてる、ふたつの世界

4.3/5当サイトの評価(5点満点)

この題材で、ここまで美化しなかったのは立派だと思います。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
呉美保
原作
五十嵐大『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』
出演
吉沢亮、忍足亜希子、今井彰人、烏丸せつこ
製作国
日本
公開
2024年
舞台
宮城県

あらすじ(ネタバレなし)

宮城の小さな町。大は、耳の聞こえない両親のもとに生まれました。彼自身の耳は聞こえます。

幼い頃は母の通訳を誇らしく思っていました。しかし成長するにつれ、周囲の視線が気になり始めます。母と外を歩くことを避けるようになりました。

地元を離れ、東京で職を転々とする日々。うまくいかないまま歳を重ねた彼は、やがて自分の育った場所と向き合うことになります。

ここが見どころ

美化しない主人公

母を恥じ、当たり散らし、逃げ出します。親孝行な息子として描かないことが、この作品の核です。

音の扱い

手話の場面では、音がほとんど使われません。二つの世界の切り替わりが、音の有無で示されます。

忍足亜希子

ろう者の俳優が母を演じています。手話の質感が、演技として作られたものではありません。

この映画について:耳の聞こえない親のもとに生まれた、聞こえる子ども。

コーダ(聞こえない親を持つ聞こえる子ども)を扱った作品です。同じ題材の『コーダ あいのうた』と比べると、はるかに苦い。

主人公は感じの良い人物ではありません。母を疎み、仕事も続かず、他人のせいにします。それでも突き放されないのは、その情けなさが具体的だからです。

呉美保の演出は説明を最小限に抑えます。感動を促す音楽もほとんどありません。泣かせにこないという選択が、題材に対して誠実でした。

終盤も、和解や成長として整理されません。関係が少し動くだけです。物足りないと感じる人はいるでしょうが、私はこの着地が正しいと思います。

この作品の良さ

  • 主人公を美化しない造形
  • 音の有無で二つの世界を示す設計
  • ろう者の俳優による母の演技
  • 泣かせにこない演出

当サイトの評価

4.3/5.0

耳の聞こえない親のもとに生まれた、聞こえる子ども。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.3
映像美4.2
音楽4.0
演技4.6
余韻4.5

世間ではどう評価されているか

原作
五十嵐大 の自伝エッセイ
監督
呉美保
公開
2024

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

コーダである五十嵐大の自伝的エッセイを原作とする作品です。母親役はろう者の俳優・忍足亜希子が演じています。

感動的にまとめない構成が評価されました。当サイトでは『コーダ あいのうた』も収録しています。

こんな人におすすめ

  • 『コーダ あいのうた』を観た人
  • 美化しない家族の話を求めている人
  • 手話や聴覚障害に関心がある人

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