FUTURE PART III
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3
三部作の完結編。複雑になりすぎた2作目から一転、開き直ったように単純な西部劇をやる。ドクを主役に据えたのが正解だった。
続編としては非常に難しいことをやっていて、その難しさに気づくのは2回目に観たときです。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
1作目の直後。ドクに連れられて、マーティは2015年へ飛びます。目的は、将来生まれる息子が起こす事件を防ぐことでした。
用事を済ませた帰り際、マーティは未来のスポーツ年鑑を土産に買います。過去に持ち帰れば賭けで儲けられる——ドクに捨てられたその本を、老いたビフが拾っていました。
1985年に戻ると、街はまるで別の場所になっていました。ビフが巨万の富を手にし、荒廃した世界を支配しています。歴史を戻すため、二人は1955年へ——1作目とまったく同じ日へ——向かうことになります。
後半、1作目の出来事が別角度から描かれます。同じ場面の裏で何が起きていたかを見せるという構成で、続編でしかできない趣向を突き詰めています。
空飛ぶ車、自動で乾く上着、ホバーボード。当たっている予測と外れている予測が混在しているのが、いま観るとかえって面白い。
たった一つの物が過去に渡っただけで、世界が別物になる。シリーズが扱ってきた因果の話を、最も分かりやすく可視化した部分です。
続編として異常に難しいことをしています。1作目の映像に自分たちを合成し、同じ場所に別の人物として存在させるという趣向は、当時の技術でよく実現したと思います。
一方で、話は非常に複雑です。時間軸が3つ以上に分岐し、誰がどの時点でどの物を持っているかを追う必要がある。1作目の軽快さを期待すると、置いていかれる可能性があります。
全体のトーンも暗く、とくに荒廃した1985年のパートは陰惨です。家族向けの続編としては、かなり思い切った選択でした。
そして本作は、次作への引きで終わります。PART3とセットで観ることが前提の作りなので、時間を確保してから始めるのが良いと思います。
1作目の裏側を、同じ日にもう一度歩き直す。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.6 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.5 |
| 演技 | 4.3 |
| 余韻 | 4.2 |
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
PART3と連続して撮影され、1989年に公開されました。アカデミー賞では視覚効果賞にノミネートされています。
劇中の2015年の描写は、実際にその年が近づいた際に世界的な話題となりました。当サイトでは1作目も収録しています。
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