EVERYWHEREALL AT ONCE
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
コインランドリーを営む移民女性が、並行世界の自分の能力を借りて戦う。悪ふざけの密度と、母娘の話の真面目さが同居する。
笑っているうちに、笑えなくなります。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
1923年、アイルランド沖の小さな島イニシェリン。本土では内戦が続いていますが、島は平穏です。
ある日、パードリックはいつものように友人コルムをパブに誘いに行きます。しかしコルムは彼を無視します。理由を尋ねると「お前は退屈だ。残りの人生を音楽に使いたい」と告げられます。
納得できないパードリックは、何度も話しかけます。するとコルムは宣言します。「今度話しかけたら、自分の指を切り落とす」。
馬鹿げた宣言が、本当に実行される。笑い話として始まった話が、引き返せない地点を越えていきます。
海の向こうから聞こえる音。島の諍いが、そのまま内戦の縮図として置かれています。
唯一まともな人物。彼女の選択が、この映画で最も理性的な行動です。
「なぜ嫌われたのか分からない」という状況の恐ろしさを、これほど正面から扱った映画は珍しい。そして最後まで、明確な理由は示されません。
コリン・ファレルとブレンダン・グリーソンは、同じ監督の『ヒットマンズ・レクイエム』でも共演しています。二人の相性は抜群です。
難点は、動物が犠牲になる展開があること。苦手な人は注意してください。
「もうお前とは話さない」。理由は言わない。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.7 |
| 映像美 | 4.5 |
| 音楽 | 4.3 |
| 演技 | 4.9 |
| 余韻 | 4.7 |
2022年のヴェネツィア国際映画祭で脚本賞と男優賞(コリン・ファレル)を受賞しました。
第95回アカデミー賞では作品賞を含む9部門にノミネートされています。
各サービスで「イニシェリン島の精霊」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。