
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
コインランドリーを営む移民女性が、並行世界の自分の能力を借りて戦う。悪ふざけの密度と、母娘の話の真面目さが同居する。
配信で観ると価値の半分が失われる、という珍しい種類の映画です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
前作から十数年。ジェイク・サリーはナヴィとして生き、ネイティリとのあいだに子どもたちをもうけていました。森の民として穏やかな日々が続いています。
しかし人類が再びパンドラへ戻ってきます。しかも、かつて命を落とした指揮官の記憶を持つアバターまで送り込まれてきました。標的はジェイク個人です。
家族を守るため、彼は森を捨てる決断をします。一家が身を寄せたのは、海に暮らすメトカイナ族。まったく異なる文化の中で、家族はよそ者として生きることになります。
水面の揺らぎ、光の屈折、髪や布の抵抗。水中モーションキャプチャの技術を新規に開発して撮られています。この一点で映画史に残ります。
トゥルクンという鯨に似た生物との交流が、物語の感情面を担います。捕鯨を思わせる場面は、直接的ですが効きます。
場面によってフレームレートを変える手法が使われています。滑らかすぎるという批判もありましたが、水中では効果的でした。
物語は、率直に言って平凡です。よそ者として受け入れられる、家族が試される、悪役が執念深く追ってくる。どれも既視感のある展開で、192分の尺に対して密度は高くありません。
それでも本作が評価されるのは、映像技術の達成が圧倒的だからです。水の表現は、公開時点で他に比較対象がありませんでした。技術それ自体が作品の主題になっているという点で、キャメロンらしい映画です。
3時間超という長さは体力を要します。ただ、後半の海戦は長さに見合った見せ場になっており、終盤に向けて確実に盛り上がります。
自宅の画面で観ると、この作品の価値の大半が失われます。劇場、できれば大きなスクリーンで観るべき作品だと考えています。
13年待たせて、水を撮りに来た。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.8 |
| 映像美 | 5.0 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.1 |
| 余韻 | 4.1 |
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
第95回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しました。世界興行収入は歴代上位に入る規模となっています。
水中でのモーションキャプチャ技術を新たに開発して撮影されました。当サイトでは『アバター』『ファイヤー・アンド・アッシュ』も収録しています。
各サービスで「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。