ANATOMY
OF A FALL
洋画2023年サスペンス2020年代フランス

落下の解剖学

152分の法廷劇です。真相を求めて観ると、期待どおりにはなりません。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
ジュスティーヌ・トリエ
出演
ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール
製作国
フランス
上映時間
152分
日本公開
2024年2月

あらすじ(ネタバレなし)

フランスの山荘。作家のサンドラが目を覚ますと、夫が雪の上で頭から血を流して死んでいました。発見したのは、視覚障害のある11歳の息子です。

事故か、自殺か、殺人か。物的証拠は決め手を欠き、裁判は夫婦の関係そのものを掘り起こしていきます。仕事の分担、言語、収入、そして事故の責任。

ここが見どころ

夫婦喧嘩の録音

法廷で再生される、事件前日の口論。音声から映像へ移り、また音声に戻るという処理が見事です。

息子の証言

最終的に判断を委ねられるのは子どもです。彼が何を選ぶかで、この映画は閉じます。

この映画について:真相は分からないまま、裁判だけが進む。

ミステリーの形をしていますが、真相を明かすことに関心がありません。描かれるのは、他人の関係を外から裁くことの無理さです。

夫婦の力関係、言語の非対称(妻はドイツ人でフランス語が母語ではない)といった要素が、法廷で不利に働いていく過程が具体的です。

難点は152分という長さと、法廷の議論が長いことです。また結末は明確な答えを与えないので、消化不良に感じる人はいます。

この作品の良さ

  • 真相ではなく関係を裁く構成
  • 録音から映像への処理
  • ザンドラ・ヒュラーの芝居

当サイトの評価

4.6/5.0

真相は分からないまま、裁判だけが進む。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.9
映像美4.4
音楽4.2
演技5.0
余韻4.7

世間ではどう評価されているか

カンヌ
パルムドール 2023年
米アカデミー賞
受賞 脚本賞
IMDb
7.7 /10

2023年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、アカデミー賞では脚本賞を獲得しました。作中に登場する犬が、カンヌの「パルム・ドッグ賞」を受賞したことでも話題になりました。

こんな人におすすめ

  • 法廷劇が好きな人
  • 答えの出ない話が好きな人
  • 夫婦関係を扱った作品に興味がある人

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