ANATOMY
OF A FALL
OF A FALL
落下の解剖学
152分の法廷劇です。真相を求めて観ると、期待どおりにはなりません。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- ジュスティーヌ・トリエ
- 出演
- ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール
- 製作国
- フランス
- 上映時間
- 152分
- 日本公開
- 2024年2月
あらすじ(ネタバレなし)
フランスの山荘。作家のサンドラが目を覚ますと、夫が雪の上で頭から血を流して死んでいました。発見したのは、視覚障害のある11歳の息子です。
事故か、自殺か、殺人か。物的証拠は決め手を欠き、裁判は夫婦の関係そのものを掘り起こしていきます。仕事の分担、言語、収入、そして事故の責任。
ここが見どころ
夫婦喧嘩の録音
法廷で再生される、事件前日の口論。音声から映像へ移り、また音声に戻るという処理が見事です。
息子の証言
最終的に判断を委ねられるのは子どもです。彼が何を選ぶかで、この映画は閉じます。
この映画について:真相は分からないまま、裁判だけが進む。
ミステリーの形をしていますが、真相を明かすことに関心がありません。描かれるのは、他人の関係を外から裁くことの無理さです。
夫婦の力関係、言語の非対称(妻はドイツ人でフランス語が母語ではない)といった要素が、法廷で不利に働いていく過程が具体的です。
難点は152分という長さと、法廷の議論が長いことです。また結末は明確な答えを与えないので、消化不良に感じる人はいます。
この作品の良さ
- 真相ではなく関係を裁く構成
- 録音から映像への処理
- ザンドラ・ヒュラーの芝居
当サイトの評価
4.6/5.0
真相は分からないまま、裁判だけが進む。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.9 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- パルムドール 2023年
- 米アカデミー賞
- 受賞 脚本賞
- IMDb
- 7.7 /10
2023年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、アカデミー賞では脚本賞を獲得しました。作中に登場する犬が、カンヌの「パルム・ドッグ賞」を受賞したことでも話題になりました。
こんな人におすすめ
- 法廷劇が好きな人
- 答えの出ない話が好きな人
- 夫婦関係を扱った作品に興味がある人
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