

あちらにいる鬼
不倫を扱いながら、非難も擁護もしない珍しい作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 廣木隆一
- 原作
- 井上荒野『あちらにいる鬼』
- 出演
- 寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2022年
- モデル
- 井上光晴と瀬戸内寂聴
あらすじ(ネタバレなし)
1960年代。作家の白木篤郎は、妻がありながら多くの女性と関係を持っていました。そのうちの一人が、同じく作家の長内みはるです。
みはるは彼との関係を続けながら、やがて出家を選びます。それでも二人の関係は終わりませんでした。
妻の笹子は、夫の女性関係を知りながら家庭を保ちます。三人の関係は、数十年にわたって続いていきます。
ここが見どころ
断罪しない構え
誰も悪者にされません。不倫を扱いながら道徳的な結論を出さないという態度が、最後まで徹底されています。
妻の視点
広末涼子演じる妻が、単なる被害者として描かれません。彼女なりの選択と計算があることが示されます。
原作者の立場
原作は、作家・井上光晴の実の娘である井上荒野が書いています。父とその愛人を小説にしたという事実が、作品に独特の重みを与えています。
この映画について:作家と、その愛人と、妻。三人が長い時間をかけて向き合う。
実在の作家二人をモデルにしていますが、ゴシップとしての興味に応える作りではありません。三人の関係が、ただ長い時間をかけて描かれます。
寺島しのぶが優れています。惚れている女であり、同時に書くことを手放さない作家でもある。その二つが同居した人物を成立させています。
豊川悦司演じる作家には、擁護できる点がほとんどありません。しかし映画はそれを責めません。この距離が、観る側を落ち着かなくさせます。
淡々としており、盛り上がりはありません。人間関係の推移だけで2時間を持たせる作品なので、退屈と感じる人はいるでしょう。
この作品の良さ
- 道徳的な結論を出さない構え
- 妻を被害者に固定しない描き方
- 寺島しのぶの二面性の演技
- 原作者と題材の関係が生む重み
当サイトの評価
作家と、その愛人と、妻。三人が長い時間をかけて向き合う。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.9 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 3.8 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.0 |
世間ではどう評価されているか
- 原作
- 井上荒野 の小説
- モデル
- 井上光晴 と瀬戸内寂聴
- 公開
- 2022 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
井上荒野の小説を原作とする作品です。原作者の父である作家・井上光晴と、瀬戸内寂聴をモデルにしています。
不倫を扱いながら道徳的な判断を下さない構成が特徴です。
こんな人におすすめ
- 人間関係の機微を描いた作品が好きな人
- 断罪しない映画に耐えられる人
- 文学者の評伝に関心がある人
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