トイ・ストーリー5
4作目で綺麗に終わったはずのシリーズを、なぜまた続けるのか。その問いに対する答えが作品の中にあるかどうかで観ました。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- アンドリュー・スタントン
- 共同監督
- マッケンナ・ハリス
- 日本語吹替
- 唐沢寿明、日下由美、所ジョージ、竜星涼ほか
- 製作
- ピクサー・アニメーション・スタジオ
- 製作国
- アメリカ
- 日本公開
- 2026年7月3日
あらすじ(ネタバレなし)
持ち主のボニーが新しいタブレットを手に入れます。画面の中には無限に遊びがあり、彼女はすぐに夢中になっていきます。
おもちゃ箱の出番は目に見えて減っていく。この状況にいちばん危機感を持ったのが、カウガール人形のジェシーでした。彼女は仲間を集め、ボニーをタブレットから引き離そうと動き始めます。
しかし、事はそう単純ではありませんでした。子どもにとってタブレットが何であるのか、そして自分たちが本当に守りたいものが何なのか。ジェシーは、ウッディとは違うやり方で答えを探すことになります。
ここが見どころ
ジェシーが主役に回った
シリーズを通してウッディの物語だった構造を、今回は明確に変えています。ジェシーはウッディのように自己犠牲で解決しない。同じ問題に別の答えを出すために、主役が入れ替わっている。
テクノロジーを悪者にしない
「タブレットは悪」で終わらせるのが最も簡単な結論ですが、本作はそれをしません。便利さと危うさの両方を見せたうえで、落としどころを探る。説教にならない着地が、この映画のいちばん立派なところです。
ピクサーの映像水準
1作目から30年以上が経ち、質感の再現は別次元に来ています。プラスチックの安っぽさが安っぽいまま美しい、という不思議な画がずっと続きます。
この映画について:おもちゃの敵は、ついにタブレットになった。
『トイ・ストーリー4』は、シリーズを終わらせるための映画でした。それを再開させるからには理由が要る。本作が用意した理由は「持ち主が画面に取られる」という、1995年の1作目にはまだ存在しなかった問題です。この設定自体は正当だと思います。
問題は規模感です。テーマは現代的でも、話の枠組みは家の中でほぼ完結しており、劇場版というより長めの特別編に見える瞬間があります。『3』のような大きな山場を期待すると、確実に肩透かしを食います。
ウッディが脇に回ったことへの反発も大きく出ました。ここは好みの問題ですが、私はジェシーに委ねた判断のほうを支持したいと思っています。ウッディに答えを出させたら、4作目と同じ話になっていたはずです。
結末は、テクノロジーを断罪せず、かといって全肯定もしない、かなり慎重な線を通しています。子どもと一緒に観たあとで話をするのに向いた作品です。
この作品の良さ
- 現代の家庭の問題を、シリーズの枠で正面から扱った
- テクノロジーを悪者にしない、説教くさくない結論
- 主役をジェシーに移した構造的な判断
- ピクサーの映像水準の高さ
当サイトの評価
おもちゃの敵は、ついにタブレットになった。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.7 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.0 |
| 演技 | 4.0 |
| 余韻 | 3.9 |
世間ではどう評価されているか
- 日本興収
- 105.9 億円
- 世界興収
- 10.93 億ドル
- 公開
- 2026 年7月3日(日本)
2026年7月3日に日本公開され、興行収入105.9億円。世界興行収入10.93億ドルの大ヒットとなりました。
興行的な成功に対し、作品評価は賛否が分かれています。国内のレビューサイトでは平均4点前後で落ち着いていますが、「ウッディの出番が少ない」「規模が小さい」という指摘と、「安易にテクノロジーを否定しなかった点が良い」という評価が並んでいる状態です。
こんな人におすすめ
- シリーズを1作目から追ってきた人
- 子どもと一緒に観て、あとで話をしたい人
- 『4』の結末に納得していた人(そのうえで観る価値があります)
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