私がビーバーになる時
ピクサーのオリジナル新作。動物好きの大学生が意識をロボットビーバーに転送し、動物側の言い分を聞いてしまう。設定はコメディだが、扱っているのは開発と自然の話。
ミニオンズの新作にわざわざレビューが要るのか、と思っていました。観たら考えが変わったので書いています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
最強最悪のボスを求めて彷徨い続けるミニオンズが、今回たどり着いたのは夢の街ハリウッドでした。映画がどうやって作られているのかを目の当たりにした彼らは、自分たちでもモンスター映画を作ろうと思い立ちます。
問題は、着ぐるみで済ませるという発想がなかったことでした。彼らは本物のモンスターを召喚してしまいます。呼び出されたのは、緑色の小さなモンスター・グーミー。見た目こそ愛嬌がありますが、その目的は「この惑星にあるすべてのものをぶっ壊す」ことでした。
危険な怪物が次々と解き放たれ、街は大混乱に陥ります。おまけにミニオンズの内部でも仲間割れが起き、事態はシリーズ最大の窮地へと転がっていきます。
ハリウッド黄金期のスタジオ、サイレント映画の撮影風景、古典的な怪奇映画の造形。元ネタを知らなくても笑えて、知っているとさらに面白いという、いちばん贅沢な作りをしています。
小さくて緑色で愛嬌がある。しかし言っていることは終始物騒です。かわいさと物騒さのギャップだけで押し切るキャラクターで、日本語版では山寺宏一が声を当てています。
ミニオンズの言葉は相変わらず意味が取れません。つまり笑いはすべて動きで作られている。サイレント映画への言及が題材として出てくるのは、この構造と噛み合っています。
このシリーズは「子ども向けの騒がしいやつ」で片付けられがちですが、本作は明確に映画好きへ目配せをしています。舞台をハリウッドに置いて、映画製作そのものを話の軸にしたことで、ドタバタの一つひとつに理由がついたのが大きい。
ピエール・コフィンはシリーズを立ち上げた監督で、ミニオンズの声も自分で当ててきた人です。何が面白くて何が過剰かの線引きが安定していて、90分前後をだれさせずに走り切ります。
物語そのものは単純です。仲間割れがあって、和解があって、大騒動が収まる。予想を裏切る展開は一つもありません。そこを求めて観る作品ではない、というのは正直に書いておきます。
とはいえ、夏休みに家族で観る映画としては、これ以上ないくらい目的に合っています。大人が付き添いで退屈しないという点で、かなり良く出来ています。
ミニオンズが映画を作ろうとして、本物のモンスターを呼び出す。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.1 |
| 演技 | 3.8 |
| 余韻 | 3.8 |
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
『怪盗グルー』『ミニオンズ』シリーズは、全世界累計興行収入56億ドルに達する人気シリーズです。本作はその最新作にあたります。
公開前の予告編の段階から「シリーズ最高傑作」との声が挙がっており、映画愛にあふれた作りが話題になりました。日本では2026年8月7日公開で、初日興収4.8億円は洋画アニメーションとして歴代1位の記録です。
一方、北米ではシリーズ史上最低のオープニング興行収入と報じられました。日本と北米で受け止められ方が分かれた作品です(いずれも2026年8月時点の情報)。
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