

散歩する侵略者
侵略ものの形をした、概念についての映画です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・共同脚本
- 黒沢清
- 原作
- 前川知大の戯曲『散歩する侵略者』
- 出演
- 長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己、恒松祐里
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2017年
- 受賞
- カンヌ国際映画祭 ある視点部門出品
あらすじ(ネタバレなし)
数日間行方不明になっていた夫の真治が、別人のようになって帰ってきます。記憶も性格も変わっていました。
彼は自分が地球外からの侵略者だと告げます。人間の身体を借り、侵略の準備として「概念」を集めているのだと。
概念を奪われた人は、その言葉が意味するものを永久に失います。所有、家族、自由。町では奇妙な事件が続いていました。
ここが見どころ
概念を奪うという設定
「所有」を奪われた人は、他人の物との区別がつかなくなります。抽象を具体的に見せる着想が優れています。
長澤まさみ
夫の変化に苛立ちながら、次第に受け入れていきます。この人物の変化が物語の軸です。
黒沢清の画面
何もない空間の不穏さ、突然の暴力。この監督の持ち味が、SFの設定と噛み合っています。
この映画について:侵略者は、人から「概念」を奪っていく。
侵略ものの形をとりながら、扱われているのは概念とは何かという問いです。
設定が優れています。「所有」を失った人が、他人の物を平気で使い始める。抽象的な話を、行動として見せることに成功しています。
終盤、夫婦が奪い合うものが何かが明かされます。ここが本作の答えであり、素直に胸を打ちます。
一方、中盤のジャーナリストの筋はやや冗長です。129分のうち、この部分は削れたはずだと感じました。
この作品の良さ
- 概念を奪うという設定
- 抽象を行動として見せる手法
- 終盤で明かされる答え
- 黒沢清の画面設計
当サイトの評価
侵略者は、人から「概念」を奪っていく。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.8 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 4.2 |
| 余韻 | 3.9 |
世間ではどう評価されているか
- 原作
- 前川知大 の戯曲
- カンヌ
- 出品 ある視点部門
- 公開
- 2017 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
前川知大の戯曲を原作とし、黒沢清が監督した作品です。カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品されました。
中盤がやや冗長だという指摘があります。
こんな人におすすめ
- 黒沢清の作品が好きな人
- 設定で語るSFが好きな人
- 『太陽』を観た人
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