2001年宇宙の旅
台詞は極端に少なく、物語の説明はほぼない。1968年の作品なのに、宇宙船の見え方はいまも古びていない。観る人を選ぶが、選ばれると一生残る。
血も怪物も出てきません。それでも相当に怖い作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
ニューヨーク。売れない俳優のガイと妻ローズマリーは、古い高級アパートに越してきます。かつて不吉な事件があった建物です。
隣に住む老夫婦は、異様なほど親切です。ローズマリーは距離を置きたいのですが、夫は彼らと親しくなっていきます。
やがて彼女は妊娠します。しかし体調は悪化する一方で、周囲の勧める医師も食事も、どこかおかしい。相談できる相手は、次々にいなくなっていきます。
カメラはほぼ彼女の視点から離れません。観客も彼女と同じだけしか知らされないという設計です。
善意の押し売りとしか見えない老婦人。この役でアカデミー助演女優賞を受賞しました。
最後まで、決定的なものは画面に映りません。
この映画の恐怖は、超自然ではなく「訴えても信じてもらえない」という状況から来ます。妊娠と身体の主導権という主題は、いま観るとより鋭い。
ポランスキーの演出は、日常の描写を丁寧に積み上げて、少しずつずらしていきます。派手な場面はひとつもありません。
難点は137分の長さと、監督をめぐる問題を切り離せないことです。
誰も信じてくれない。それがいちばん怖い。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.7 |
| 余韻 | 4.6 |
第41回アカデミー賞で助演女優賞を受賞しました。
原作は1967年刊行のアイラ・レヴィンの小説です。
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