お葬式THE FUNERAL
お葬式
伊丹十三監督の第1作です。日常の中の可笑しさを拾う手つきが、ここですでに完成しています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 伊丹十三
- 出演
- 山崎努、宮本信子、菅井きん、財津一郎
- 上映時間
- 124分
- 公開
- 1984年11月
あらすじ(ネタバレなし)
俳優夫婦の井上侘助と雨宮千鶴子のもとに、千鶴子の父が急死したという連絡が入ります。仕事を中断して駆けつけた二人は、喪主として葬儀を出すことになります。
しかし、通夜の作法も焼香の順番も分かりません。ビデオで作法を予習し、坊主の車代の相場に悩み、親族の思惑に振り回される。悲しむ暇のない3日間が過ぎていきます。
ここが見どころ
作法を知らないという視点
喪主が何も知らないので、観客も一緒に手順を教わることになります。儀式を外側から観察する視点が笑いを生みます。
生々しい人間関係
愛人が現れ、親族が金の話をし、誰もが少しずつ本音を出す。葬式という場が持つ気まずさが正確に写されています。
この映画について:葬式の段取りが分からない、というだけの話。
喜劇ですが、笑いの源は誇張ではなく観察です。誰もが経験するのに誰も説明してくれない手続きを、そのまま並べるだけで可笑しい。
同時に、悲しみが不意に顔を出す場面もきちんとあります。義母が一人になる短い場面など、笑いの合間の静けさが効いています。
難点は、テンポがややゆっくりなことと、いま観ると価値観に古い部分があることです。ただ、儀式に振り回される感覚は40年経っても変わりません。
この作品の良さ
- 観察に基づいた笑い
- 笑いの合間に置かれる静けさ
- 山崎努と宮本信子の呼吸
当サイトの評価
4.5/5.0
葬式の段取りが分からない、というだけの話。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.7 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 4.7 |
| 余韻 | 4.5 |
世間ではどう評価されているか
- 日本アカデミー賞
- 最優秀作品賞 第8回
- キネマ旬報
- 1位 1984年
- 監督
- 第1作 伊丹十三のデビュー作
伊丹十三監督のデビュー作でありながら、日本アカデミー賞最優秀作品賞とキネマ旬報1位を獲得しました。自主製作に近い形で作られ、大ヒットしたことでも知られます。
こんな人におすすめ
- 観察に基づく喜劇が好きな人
- 日常を描いた作品が好きな人
- 伊丹十三作品の入り口を探している人
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