

大いなる不在
認知症を扱いながら、感情に流されない珍しい作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 近浦啓
- 出演
- 藤竜也、森山未來、原日出子、真木よう子
- 上映時間
- 152分
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2024年
- ジャンル
- ドラマ
あらすじ(ネタバレなし)
俳優の卓は、長く音信のなかった父が警察に保護されたと連絡を受けます。父は認知症を患っていました。
父の家に着くと、同居していたはずの後妻が姿を消しています。部屋には大量のメモと手紙が残されていました。
断片的な記録と、要領を得ない父の言葉。卓は、父とその妻に何が起きたのかを組み立てようとします。それは、自分が捨てられた過去に向き合うことでもありました。
ここが見どころ
ミステリとしての構造
何が起きたのかを、断片から再構成していきます。認知症を扱いながら、謎解きの形式を取ったのが独特です。
藤竜也
壊れていく知性を演じます。ただ弱っていくのではなく、時折きわめて明晰になるという揺れが精確です。
時間の交錯
現在と過去が説明なしに入れ替わります。観客も、記憶が混ざるという状態を体験させられます。
この映画について:認知症の父が、何を言っているのか分からない。
認知症を扱った作品は多いのですが、本作は情に流れません。介護の苦労を描くより、何が起きたのかを追う形式を取っています。
この選択が良い。父を理解しようとする行為が、そのまま謎解きになるため、感傷に落ちずに済んでいます。
藤竜也の演技が突出しています。この俳優のこれまでの仕事の中でも、屈指の水準でしょう。
152分は長く、中盤に停滞があります。説明されない部分も多いので、集中して観る必要があります。
この作品の良さ
- 認知症を謎解きの形式で扱った構造
- 藤竜也の演技
- 時間を交錯させる編集
- 感傷に流れない姿勢
当サイトの評価
認知症の父が、何を言っているのか分からない。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.2 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.3 |
世間ではどう評価されているか
- 上映時間
- 152 分
- 主演
- 藤竜也 /森山未來
- 公開
- 2024 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
近浦啓が監督・脚本を務めた作品です。東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されました。
認知症を情緒的に描かず、謎解きの構造で扱った点が評価されています。
こんな人におすすめ
- 家族の問題を扱った作品が好きな人
- 感傷的でない作りを求める人
- 藤竜也の演技を観たい人
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