楢山節考THE BALLAD OF NARAYAMA
楢山節考
重い題材ですが、悲劇として描かれません。生きものの一種としての人間を撮った作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 今村昌平
- 原作
- 深沢七郎
- 出演
- 緒形拳、坂本スミ子、あき竹城
- 上映時間
- 130分
- 公開
- 1983年4月
あらすじ(ネタバレなし)
信州の貧しい山村。食糧が限られたこの村では、70歳になった者は「楢山まいり」と称して息子に背負われ、山へ捨てられる決まりがありました。
69歳のおりんは、その日を淡々と待っています。息子の再婚を整え、孫の面倒をみて、自分の丈夫な歯を石で折る。すべては、きちんと山へ行くための準備でした。
ここが見どころ
人と動物を並べる
交尾する蛇、雪、獣。人間の生死を、他の生きものと同じ位置に置く編集が全編に貫かれています。
山へ登る終盤
台詞のない長い道行き。息子が母を背負って山を登る場面が、この映画の全部です。
この映画について:70歳になったら山に捨てられる村の、一年間。
残酷な因習の話ですが、映画はそれを批判も肯定もしません。食糧が限られた場所では、そういう仕組みになった。ただそれだけを見せます。
性と食と死が同じ密度で撮られており、今村昌平監督の姿勢が最も明確に出た作品です。美しくもなく、汚くもない。
難点は、描写の直接さと、感情的な起伏の少なさです。また130分の大半が村の日常の描写に費やされます。人を選びますが、終盤の力は代えがたい。
この作品の良さ
- 人間を生きものとして撮る一貫した姿勢
- 終盤の道行きの力
- 批判も肯定もしない距離
当サイトの評価
4.7/5.0
70歳になったら山に捨てられる村の、一年間。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.7 |
| 映像美 | 4.8 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.9 |
| 余韻 | 4.9 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- パルムドール 1983年
- IMDb
- 7.8 /10
- 原作
- 深沢七郎 同名小説
1983年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。同じ原作は1958年に木下惠介監督でも映画化されており、様式的な木下版と、生々しい今村版の対比がよく語られます。
こんな人におすすめ
- 重い題材を直視できる人
- 人間を突き放して描く作品が好きな人
- 日本映画の代表作を押さえたい人
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