幸福の黄色いハンカチ
日本映画の定番中の定番です。結末は有名ですが、そこまでの道中こそが本体だと思っています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 山田洋次
- 原作
- ピート・ハミル
- 出演
- 高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり
- 上映時間
- 108分
- 公開
- 1977年10月
あらすじ(ネタバレなし)
網走刑務所を出所した島勇作は、行くあてもなく北海道を歩いていました。食堂で、失恋旅行中の青年・欽也と、旅先で知り合った女性・朱美と偶然に居合わせます。
三人は成り行きで、赤いファミリアに乗って道内を旅することになります。若い二人が騒ぐ横で、勇作は口数少なく過去を語り始めます。彼には、出所したら妻に手紙を出すと決めていたことがありました。
ここが見どころ
ロードムービーとしての北海道
夕張、網走、留萌。1970年代の北海道の風景そのものが記録になっています。炭鉱町の描写など、いま観ると資料的な価値もあります。
三人の距離
最初はうるさいだけだった若い二人が、だんだん勇作の事情に踏み込んでいく。この距離の縮め方が自然です。
最後の一枚
書きませんが、あの場面です。それまでずっと感情を出さなかった主人公が、一度だけ崩れる。108分すべてがこのためにあります。
この映画について:最後の一枚が見えるまでの、108分の道のり。
有名な結末に向かって進む映画ですが、実際に面白いのは道中の会話です。武田鉄矢の軽薄さと、高倉健の寡黙さの対比が効いていて、ロードムービーとして単純に楽しい。
高倉健の芝居は、ほとんど何もしないことで成立しています。表情を変えず、多くを語らない。だから終盤で一度だけ表情が動くときの落差が大きい。
いま観ると、女性の描かれ方や当時の価値観に引っかかる部分はあります。特に朱美の扱いは古い。それでも、この映画の温度は損なわれていないと思います。
この作品の良さ
- ロードムービーとしての道中の面白さ
- 高倉健の、何もしない芝居
- 1970年代の北海道の記録としての価値
当サイトの評価
最後の一枚が見えるまでの、108分の道のり。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.8 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.9 |
| 余韻 | 4.8 |
世間ではどう評価されているか
- 日本アカデミー賞
- 最優秀作品賞 第1回
- キネマ旬報
- 1位 1977年 日本映画ベスト・テン
- 原案
- アメリカの実話コラム ピート・ハミルの記事
第1回日本アカデミー賞で最優秀作品賞・監督賞・主演男優賞など主要部門を受賞し、キネマ旬報ベスト・テンでも1位に選ばれました。
原案はアメリカのコラムニスト、ピート・ハミルが紹介した逸話です。同じ話は米国でも歌や映画になっており、黄色いハンカチという記号は国際的に知られています。
こんな人におすすめ
- 定番の邦画を押さえたい人
- ロードムービーが好きな人
- 高倉健を一本観てみたい人
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