殯の森THE MOURNING FOREST
殯の森
説明はほとんどありません。映像と音に身を委ねる映画です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 河瀬直美
- 出演
- うだしげき、尾野真千子
- 上映時間
- 97分
- 公開
- 2007年6月
あらすじ(ネタバレなし)
奈良の山間にあるグループホーム。妻を亡くして33年になる認知症の老人しげきは、庭で野菜を育てながら暮らしています。
そこへ、幼い息子を亡くした過去を持つ介護士の真千子が着任します。二人は互いに、口には出さない喪失を抱えています。
ある日のドライブの帰り、車が脱輪します。しげきは森の中へ歩き出し、真千子はそれを追いかけます。
ここが見どころ
茶畑の場面
一面の緑の中を走る二人。物語の説明を止めて、映像だけで数分を進めるという河瀬直美の作法が最もよく出ています。
森の一夜
雨に濡れ、火を起こす。台詞のほとんどない終盤が、この作品の到達点です。
手持ちカメラ
揺れる主観に近い映像。ドキュメンタリー出身の監督らしい撮り方です。
この映画について:認知症の老人と介護士が、森の奥へ入っていく。
「殯(もがり)」とは、埋葬までの間、遺体をそばに置いて弔う古い習俗を指す言葉です。題名がそのまま、この映画がやろうとしていることを示しています。
物語らしい物語はありません。喪失を抱えた二人が、森という場所を通って何かを終える。それだけです。好みは大きく分かれます。
難点は、観客に対する説明が乏しく、忍耐を要求すること。97分でも長く感じる人はいるでしょう。
この作品の良さ
- 自然の映像
- 台詞に頼らない終盤
- 題名と主題の一致
当サイトの評価
4.1/5.0
認知症の老人と介護士が、森の奥へ入っていく。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.7 |
| 音楽 | 4.0 |
| 演技 | 4.2 |
| 余韻 | 4.6 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- グランプリ 2007年・審査員特別大賞
- IMDb
- 6.7 /10
- 撮影地
- 奈良
2007年のカンヌ国際映画祭でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞しました。
河瀬直美は1997年に『萌の朱雀』でカメラ・ドール(新人賞)を受賞しており、二度目のカンヌ受賞となります。
こんな人におすすめ
- 映像に身を委ねたい人
- 説明の少ない映画が平気な人
- 日本の作家性の強い作品を観たい人
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