

ミッション:インポッシブル
近作から遡ると、その静かさに驚くはずです。ジャンルからして別物です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- ブライアン・デ・パルマ
- 出演
- トム・クルーズ、ジョン・ヴォイト、エマニュエル・ベアール、ジャン・レノ、ヴィング・レイムス
- 原型
- テレビシリーズ『スパイ大作戦』
- 製作国
- アメリカ
- 公開
- 1996年
あらすじ(ネタバレなし)
プラハで行われた作戦は、失敗に終わりました。チームはほぼ全滅し、生き残ったイーサン・ハントだけが現場から逃れます。
本部に連絡を取った彼は、そこで自分が裏切り者と疑われていることを知ります。作戦は内通者をあぶり出すための罠であり、いま彼は組織から追われる立場でした。
無実を証明する唯一の方法は、本物の内通者を突き止めること。イーサンは、はぐれ者たちを集めて非公式のチームを作り、CIA本部の最重要区画への侵入を計画します。
ここが見どころ
CIA本部への侵入
天井から吊り下がって、床に触れずに作業する数分間。音も温度も感知される部屋で、汗の一滴が命取りになる。台詞のない緊張の作り方として、いまも参照される場面です。
デ・パルマの演出
ヒッチコックの影響を公言してきた監督で、本作でも分割画面や主観の操作が多用されています。誰が本当のことを言っているのか分からない状態が続きます。
変装という仕掛け
マスクによる変装が物語の中心にあり、目の前の人物が誰なのかが揺らぎ続けます。シリーズの記号になった要素の出発点です。
この映画について:あの吊り下がる場面は、ここから始まった。
近年のシリーズは、トム・クルーズが実際に危険なことをする見世物として観られています。本作は違って、誰を信じられるかという話です。アクションは少なく、会話と仕掛けで進みます。
デ・パルマの起用が効いていて、画面の作りが常に不穏です。カメラの角度が不自然に傾き、視点が誰のものか分からなくなる。スパイものにふさわしい落ち着かなさが全編にあります。
一方で、話は分かりにくい部類です。誰が誰を騙しているのかを追うのに集中力が要り、初見で全部を把握するのは難しい。ここは好みが分かれるところです。
終盤の列車の場面は、当時の技術の限界が見えます。それでも、CIA侵入の場面の完成度で十分におつりが来ます。
この作品の良さ
- CIA本部侵入の、台詞なしの緊張
- デ・パルマによる不穏な画面設計
- 変装という仕掛けの導入
- アクションでなくスパイものとして作った判断
当サイトの評価
あの吊り下がる場面は、ここから始まった。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 4.1 |
| 余韻 | 4.0 |
世間ではどう評価されているか
- 原型
- スパイ大作戦 テレビシリーズ
- 監督
- ブライアン・デ・パルマ
- 公開
- 1996 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
テレビシリーズ『スパイ大作戦』を原型とする映画版の第1作です。
近作のアクション路線とは異なり、スパイスリラーとして作られています。当サイトでは『フォールアウト』『デッドレコニング PART ONE』も収録しています。
こんな人におすすめ
- 近作からシリーズを遡りたい人
- スパイものが好きな人
- ブライアン・デ・パルマの演出に興味がある人
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