ロストケア(2023年・邦画)のイメージ
邦画2023年サスペンス・犯罪ドラマサスペンス日本

ロストケア

4.1/5当サイトの評価(5点満点)

答えの出ない問題を、逃げずに正面から扱った作品です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
前田哲
原作
葉真中顕『ロスト・ケア』
出演
松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀
製作国
日本
公開
2023年
題材
介護と殺人

あらすじ(ネタバレなし)

訪問介護センターの所長と、利用者の老人が同じ日に死体で見つかります。捜査を担当する検事の大友は、事件の背後に別の何かを感じ取りました。

浮かび上がったのは、献身的な介護士として評判の高かった斯波でした。彼は、担当した利用者を次々に手にかけていたのです。

斯波は罪を認めます。しかし彼は、それを「救い」だったと主張しました。取り調べは、二人の人生観をぶつけ合うものになっていきます。

ここが見どころ

対話の場面

終盤の取調室でのやり取りが本作の核です。検事も犯人も、相手の論を崩しきれません。

松山ケンイチの造形

凶暴でも異常でもなく、極めて理性的に見えます。その落ち着きが恐ろしい。

介護の現実の描写

制度の隙間、家族の疲弊、金銭。殺人に至るまでの経緯が具体的に積まれます。

この映画について:介護士が、42人を殺していた。

介護をめぐる殺人という、極めて重い題材です。作品は犯人を擁護しませんが、その論理を切り捨てもしません。

終盤の対話が優れています。検事の側にも私的な事情があり、正義の側から一方的に断罪する構図になっていない。どちらも自分の経験からしか語れないという限界が示されます。

松山ケンイチと長澤まさみが、感情を爆発させずに演じています。声を荒らげない対話だからこそ、内容の重さが際立ちます。

解決はしません。制度の問題として提示されたまま終わります。すっきりしたい人には向きませんが、この扱いが正しいと思います。

この作品の良さ

  • 終盤の対話の構成
  • 松山ケンイチの理性的な造形
  • 介護の現実を具体的に積んだ描写
  • どちらの論理も切り捨てない姿勢

当サイトの評価

4.1/5.0

介護士が、42人を殺していた。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.2
映像美3.9
音楽3.9
演技4.5
余韻4.3

世間ではどう評価されているか

原作
葉真中顕 の小説
題材
介護 と殺人
公開
2023

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

葉真中顕の小説『ロスト・ケア』を原作とする作品です。

介護をめぐる問題に結論を出さず、対話として提示する構成が評価されました。

こんな人におすすめ

  • 社会派サスペンスが好きな人
  • 介護の問題に関心がある人
  • 答えの出ない題材に耐えられる人

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