リトル・マーメイド(1989年・洋画)のイメージ
洋画1989年アニメ1980年代アメリカ

リトル・マーメイド

この1本がなければ、『美女と野獣』も『ライオン・キング』もありませんでした。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー
音楽
アラン・メンケン
作詞
ハワード・アシュマン
原作
アンデルセン
公開
1989年
受賞
米アカデミー賞 作曲賞・歌曲賞

あらすじ(ネタバレなし)

海の王トリトンの末娘アリエルは、人間の世界に強い憧れを抱いていました。海面に浮かぶ難破船から拾った品々を集め、秘密の洞窟に飾っています。

ある嵐の夜、彼女は溺れかけた人間の王子エリックを助けます。一目で恋に落ちたアリエルは、人間になりたいと願うようになりました。

その願いにつけ込んだのが、海の魔女アースラです。声と引き換えに人間の脚を与える——ただし三日以内に王子の愛のキスを得られなければ、彼女の魂は魔女のものになるという契約でした。

ここが見どころ

ミュージカル構成の導入

ハワード・アシュマンがブロードウェイの手法を持ち込みました。人物の願いを歌で宣言する「I Want ソング」という型が、ここから定着します。

「Part of Your World」

その代表例です。アリエルが何を求めているかを、この一曲で全部伝えてしまう。以後のディズニー作品の設計図になりました。

アースラの造形

巨大なタコの魔女。過剰で、下品で、圧倒的に楽しい悪役です。歌う「Poor Unfortunate Souls」も含めて、本作の魅力の半分を担っています。

この映画について:ディズニー・ルネサンスは、ここから始まった。

1970年代から80年代のディズニーは長い低迷期にありました。本作の成功が流れを変え、以後『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』と続くディズニー・ルネサンスが始まります。

構成の刷新が決定的でした。ブロードウェイのミュージカルの型——冒頭で世界を提示し、主人公が願いを歌い、悪役が対抗する——を持ち込んだことで、話の推進力が段違いになった。

内容面では、アリエルが自分の意志で行動する点が、それまでのプリンセス像との違いです。ただし「男のために声を捨てる」という筋には批判もあり、この議論は現在も続いています。

水中の表現、光の透過、髪の動き。作画も当時としては挑戦的で、手描きの限界近くまで行っています。

この作品の良さ

  • ブロードウェイ型のミュージカル構成の導入
  • 「Part of Your World」という設計図
  • アースラという悪役の楽しさ
  • 水中表現の作画

当サイトの評価

4.4/5.0

ディズニー・ルネサンスは、ここから始まった。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.2
映像美4.6
音楽4.9
演技4.2
余韻4.3

世間ではどう評価されているか

米アカデミー賞
2 部門受賞(作曲・歌曲)
位置づけ
ルネサンス 期の起点
公開
1989

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

第62回アカデミー賞で作曲賞と歌曲賞(「Under the Sea」)を受賞しました。

長い低迷期を終わらせ、以後10年の「ディズニー・ルネサンス」を始めた作品として位置づけられています。当サイトでは2023年の実写版も収録しています。

こんな人におすすめ

  • ディズニーのミュージカル作品が好きな人
  • 『美女と野獣』『アラジン』を観た人
  • アニメーション史の転換点を押さえたい人

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