
千と千尋の神隠し
国内興行収入316.8億円、アカデミー賞とベルリン金熊賞をダブル受賞。数字だけが有名になりがちだが、中身は驚くほど地に足のついた「働く話」です。
非常にきつい作品です。人に勧めるときは必ず先にそう伝えています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
地方都市の中学校。雄一は、カリスマ的な歌手リリイ・シュシュのファンサイトを運営し、掲示板でだけ本音を書いています。
同級生の星野は、ある夏の旅行を境に人が変わり、クラスを暴力で支配し始めます。恐喝、いじめ、そして取り返しのつかない出来事。雄一はそのすべてに関わりながら、掲示板の中に逃げ込みます。
画面に書き込みの文字が流れ続けます。2001年の時点でネット上の言葉を映画に持ち込んだ先駆的な表現です。
デジタルビデオで撮られた緑の風景が異様に美しい。その美しさが、起きている出来事の醜さを際立たせます。
扱われているのは、逃げ場のない場所での暴力と、それをどこにも言えないことです。大人はほとんど出てきません。子どもたちだけの世界で完結する。
岩井俊二監督の映像美が、この作品では残酷に機能します。美しい風景の中で最悪のことが起きる、という配置が徹底されている。
難点は、描写が非常に強いことです。性暴力といじめの場面は直接的で、耐えられない人がいます。146分と長く、救いもありません。それでも2000年代の日本映画として重要な一本です。
田んぼの緑と、掲示板の文字だけで、痛みを描く。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.2 |
| 映像美 | 4.8 |
| 音楽 | 4.9 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.8 |
公開当初から熱心な支持を集め、2000年代の日本の青春映画として繰り返し言及される作品です。制作にあたって実際にネット掲示板が使われたという経緯でも知られます。
各サービスで「リリイ・シュシュのすべて」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。