ラ・ラ・ランド
公開時の熱狂と、そのあとの揺り戻しが大きかった作品です。10年近く経ったいま、どこが残るのかを整理します。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- デイミアン・チャゼル
- 出演
- ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
- 音楽
- ジャスティン・ハーウィッツ
- 上映時間
- 128分
- 日本公開
- 2017年2月
あらすじ(ネタバレなし)
ロサンゼルス。女優を目指してオーディションを受け続けるミアと、古いジャズにこだわって自分の店を持つことを夢見るピアニストのセブ。何度かのすれ違いを経て、二人は惹かれ合います。
互いの夢を励まし合いながら過ごす季節。しかし、それぞれの仕事が動き始めたとき、二人が同じ場所にいられる時間は少しずつ減っていきます。
ここが見どころ
冒頭の高速道路
渋滞した高速道路の上で全員が踊り出す長回し。これから始まるのが現実そのままの話ではないという宣言として、最初に置かれています。
季節で章を切る
冬・春・夏・秋、そしてもう一度冬。色調と衣装が季節ごとに変わり、感情の温度がそのまま画面の色になっています。
終盤の想像の場面
「もしあのとき別の選択をしていたら」を数分でまとめて見せる。ハッピーエンドを一度だけ見せてから取り上げるという残酷な構成で、この映画の評価はほぼここで決まります。
この映画について:夢を追う話ではなく、夢を追った結果の話。
前半の多幸感と後半の苦さの落差が、この映画の設計です。歌って踊る場面で気持ちよくさせておいて、最後に「その選択の代償はこれです」と静かに提示してくる。ミュージカルの形をした、選択についての映画だと思っています。
音楽と撮影は文句なしで、色の使い方は特に見事です。ミアのドレスの色が場面ごとに意味を持って変わっていくのは、繰り返し観ると分かります。
弱点もはっきりしています。二人の歌唱とダンスは専門家の水準ではなく、古典的なミュージカルを期待すると物足りない。また、ジャズの扱いについては当時から批判があり、白人男性が黒人音楽の正統を語る構図は擁護しにくい部分です。
この作品の良さ
- 季節と色で感情の温度を見せる設計
- 終盤の「もしも」の場面が持つ残酷さ
- 主題曲の反復の使い方
当サイトの評価
夢を追う話ではなく、夢を追った結果の話。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.9 |
| 音楽 | 5.0 |
| 演技 | 4.6 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 6冠 監督賞・主演女優賞ほか
- ノミネート
- 14 部門・史上最多タイ
- IMDb
- 8.0 /10
第89回アカデミー賞で14部門にノミネートされ、監督賞・主演女優賞・撮影賞・美術賞・作曲賞・歌曲賞の6部門を受賞しました。14ノミネートは史上最多タイ記録です。
作品賞は『ムーンライト』に譲りましたが、その発表が一度取り違えられたことでも記憶されています。公開直後の絶賛と、その後の反動の両方が大きかった作品です。
こんな人におすすめ
- ミュージカルの入り口を探している人
- 色彩設計を味わいたい人
- 苦い結末を許せる人
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