かぐや姫の物語THE TALE OF
THE PRINCESS KAGUYA
邦画2013年アニメ2010年代高畑勲

かぐや姫の物語

アニメーションの表現として、他に類のない作品です。137分と長いですが、観る価値があります。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

原案・脚本・監督
高畑勲
音楽
久石譲
制作
スタジオジブリ
声の出演
朝倉あき、高良健吾、地井武男
上映時間
137分
公開
2013年11月

あらすじ(ネタバレなし)

竹から生まれた小さな姫は、山里で竹取の翁と媼に育てられ、驚くほどの速さで成長します。野山を駆け回り、村の子どもたちと遊ぶ日々。

しかし翁は、この子を「高貴の姫君」として育てることが天からの授かりものへの礼だと信じ、都に屋敷を構えます。作法を仕込まれ、求婚者に囲まれる中で、姫は自分が何を望んでいたのかを見失っていきます。

ここが見どころ

線を残した作画

彩色を塗り切らず、鉛筆の線と余白をそのまま残しています。下書きが動いているような質感が、生命の躍動として機能します。

疾走の場面

姫が屋敷を飛び出して走る数分。線が荒れ、背景が崩れ、絵そのものが感情になるという到達点です。

この映画について:線が描きかけのまま動く。それ自体が主題になっている。

アニメーションの表現として、これ以上のものを挙げるのが難しい作品です。手描きの線が持つ速度と情報量を、極限まで引き出しています。

物語は原作に忠実ですが、解釈が加えられています。姫が地上に来た理由と、去る理由に明確な答えが与えられ、それが作品の核になります。

難点は137分という長さと、中盤の求婚者たちのくだりが長いことです。また終盤の展開は非常に苦く、明るい気分では観られません。

この作品の良さ

  • 線を残した作画という表現の到達点
  • 疾走の場面の絵の力
  • 原作への解釈の加え方

当サイトの評価

4.7/5.0

線が描きかけのまま動く。それ自体が主題になっている。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.6
映像美5.0
音楽4.9
演技4.6
余韻4.9

世間ではどう評価されているか

米アカデミー賞
ノミネート 長編アニメ映画賞
IMDb
8.0 /10
監督
遺作 高畑勲の最後の劇場作品

アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされました。制作に8年を要し、高畑勲監督の最後の劇場長編となっています。興行的には振るいませんでしたが、評価は非常に高い作品です。

こんな人におすすめ

  • アニメーション表現に関心がある人
  • 手描きの絵が好きな人
  • 苦い結末を受け止められる人

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