踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
実写邦画の興行記録を長く保持した作品。ただし内容の評価は前作に及ばない。数字と中身を切り離して書きます。
恋愛映画で「良かった」と言われるものの多くは始まりが良いのですが、この映画は終わり方で記憶されています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
大学生の恒夫は、麻雀店でのアルバイトの帰り道、乳母車を押す老婆と出会います。中に乗っていたのは、足が不自由な若い女性でした。彼女は自分を「ジョゼ」と名乗ります。
祖母と二人で暮らすジョゼは、外の世界をほとんど知りません。本の中の知識だけが彼女の世界でした。恒夫は彼女の家に出入りするようになり、二人は少しずつ近づいていきます。
やがて祖母が亡くなり、二人は一緒に暮らし始めます。恒夫はジョゼを外へ連れ出し、彼女が見たことのないものを見せていく。しかし、就職が近づくにつれ、関係には別の力がかかり始めます。
この映画がいまも語られる理由はここにあります。感動的な結末を用意しない代わりに、まったく別のものを提示する。あの一連の場面は、日本映画の中でも屈指の終わり方だと思います。
ジョゼは可愛らしくもあり、意地悪でもあり、扱いにくい人物です。同情される側に固定しないという演技が徹底されていて、これがこの映画の品位を保っています。
説明台詞がほとんどありません。二人が何を思っているかは、行動と沈黙から読むしかない。デビュー間もない時期の脚本ですが、すでに完成しています。
障害のある人物が出てくる恋愛映画には、危うさが常につきまといます。感動の道具にしてしまう危険がある。本作はそこを、ジョゼを「いい人」にしないことで回避しています。彼女は不機嫌だし、暴言も吐くし、思い通りにならないと荒れる。
恒夫の側も同様で、優しさと自己満足の区別がついていない若い男として描かれます。だから終盤の彼の行動が理解できてしまう。誰も悪人にしないまま、関係が終わるという難しいことをやっています。
水族館へ行く場面、二人が虎を見に行く場面など、印象的な挿話がいくつも積まれます。それらが最後に効いてくる構成も見事です。
2020年にアニメーション映画としてもリメイクされましたが、方向性はかなり違います。原作の苦さに近いのは、こちらの実写版です。
始まりより、終わり方のほうを覚えている恋愛映画。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.2 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.6 |
| 余韻 | 4.5 |
田辺聖子の短編小説を原作とし、犬童一心が監督、渡辺あやが脚本を担当しました。
公開規模は小さかったものの評価が高く、2000年代の日本映画を語るときに必ず挙がる一本になっています。2020年にはアニメーション映画としてもリメイクされました。
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