ジョーカー
公開当時、暴力を肯定しているのではないかという議論が起きました。そこも含めて書きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- トッド・フィリップス
- 出演
- ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ
- 音楽
- ヒルドゥル・グーズナドッティル
- 上映時間
- 122分
- 日本公開
- 2019年10月
あらすじ(ネタバレなし)
1980年代のゴッサム・シティ。ピエロの派遣業で生計を立てるアーサー・フレックは、緊張すると笑いが止まらなくなる病を抱え、病気の母と暮らしています。コメディアンになることが夢ですが、誰にも相手にされません。
行政の予算削減で福祉の支援が打ち切られ、薬も手に入らなくなります。地下鉄での出来事をきっかけに、彼は少しずつ別のものに変わっていきます。
ここが見どころ
ホアキン・フェニックスの身体
極端に痩せた身体、不自然な笑い、階段を降りる歩き方。台詞よりも身体で人物を作っています。アカデミー主演男優賞受賞。
チェロの劇伴
ヒルドゥル・グーズナドッティルによる低い弦の音が、常に不安を鳴らし続けます。アカデミー作曲賞受賞。
この映画について:ヒーロー映画の枠を借りた、1970年代型の人間ドラマ。
原作ものの体裁を取っていますが、実際に参照しているのは1970年代のアメリカ映画です。『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』を下敷きにしていることは明白で、デ・ニーロの起用もその文脈です。
重要なのは、この映画が語り手を信用できないように作られている点です。何が現実で何が妄想かは確定せず、観客が読み取るしかない。
公開当時、暴力を美化しているという批判が起きました。私は美化ではなく提示だと読みましたが、受け手によって印象が変わるのは事実です。安易に「共感」して観る作品ではありません。
この作品の良さ
- ホアキン・フェニックスの身体表現
- 語り手を信用させない構造
- 劇伴の不安の作り方
当サイトの評価
ヒーロー映画の枠を借りた、1970年代型の人間ドラマ。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.8 |
| 音楽 | 4.9 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.6 |
世間ではどう評価されているか
- ヴェネツィア
- 金獅子賞 2019年
- 米アカデミー賞
- 2冠 主演男優賞・作曲賞
- IMDb
- 8.4 /10
ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、アカデミー賞では主演男優賞と作曲賞を獲得しました。アメコミ原作の作品が金獅子賞を獲ったのは初めてのことです。
こんな人におすすめ
- 1970年代アメリカ映画の系譜に興味がある人
- 重い人間ドラマが平気な人
- 俳優の身体表現を観たい人
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