ハウルの動く城
ジブリ作品の中でも評価が割れる一本です。私はかなり好きですが、弱点もはっきりしているので両方書きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 原作
- ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
- 脚本・監督
- 宮崎駿
- 音楽
- 久石譲
- 制作
- スタジオジブリ
- 声の出演
- 倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏
- 上映時間
- 119分
- 公開
- 2004年11月
あらすじ(ネタバレなし)
帽子屋で働く地味な少女ソフィーは、ある日、魔法使いハウルに助けられたことがきっかけで、荒地の魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆の姿に変えられてしまいます。
家を出た彼女は、荒地をさまよう「動く城」にたどり着き、掃除婦として住み込みます。城の主は、美しく臆病で、隣国との戦争から逃げ続けている魔法使いハウルでした。
ここが見どころ
動く城の造形
がらくたを寄せ集めたような建物が、足で歩き、蒸気を吐き、傾く。これを手描きで動かし続けていることが、まず異常な仕事です。
『人生のメリーゴーランド』
久石譲によるワルツ。作品を通してこの一曲が変奏され続けます。物語が散らかっていても、この曲が全体をひとつにまとめています。
ソフィーの見た目が揺れる
老婆になったソフィーの外見は、場面によって若返ったり戻ったりします。自信のあるときは若く見えるという、明言されないルールが敷かれています。
この映画について:話は破綻気味。それでも画と音で押し切ってしまう。
物語の整理という点では、はっきり弱いです。戦争の経緯も、荒地の魔女の扱いも、終盤の解決も、説明されないまま流れていく。初見で筋を追おうとすると確実に混乱します。
それでも私がこの作品を高く評価するのは、画と音の力が理屈を上回っているからです。城の内部の生活感、火の悪魔カルシファーの造形、空襲の場面の重さ。感覚に直接くる部分の水準が非常に高い。
ソフィーの外見が揺れる仕掛けも見事で、彼女の自己評価がそのまま画になっています。物語で説明しないぶんを、映像で語ろうとしている作品なのだと思います。そこに乗れるかどうかで評価が割れます。
この作品の良さ
- 動く城の造形と、それを手描きで動かす物量
- 久石譲のワルツによる統一感
- ソフィーの外見が心情で変わる仕掛け
当サイトの評価
話は破綻気味。それでも画と音で押し切ってしまう。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.8 |
| 映像美 | 5.0 |
| 音楽 | 5.0 |
| 演技 | 4.3 |
| 余韻 | 4.2 |
世間ではどう評価されているか
- 国内興行収入
- 196 億円
- ヴェネツィア
- 受賞 オゼッラ賞(技術貢献賞)
- IMDb
- 8.2 /10
国内興行収入は196億円を記録し、『千と千尋の神隠し』に次ぐジブリ作品の成績となりました。ヴェネツィア国際映画祭では技術貢献賞を受賞しています。
原作はイギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童文学で、映画版には戦争という要素が大きく加えられています。原作と映画で印象がかなり違う作品です。
こんな人におすすめ
- 筋よりも画と音を味わいたい人
- ジブリ作品を一通り観たい人
- 美術と音楽で押し切られたい人
配信を探す
各サービスで「ハウルの動く城」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。