箱男(2024年・邦画)のイメージ

箱男

3.6/5当サイトの評価(5点満点)

原作を知らずに観ると、まず何が起きているか分かりません。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
石井岳龍
原作
安部公房『箱男』
出演
永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市
製作国
日本
公開
2024年
備考
1997年に一度中止された企画の実現

あらすじ(ネタバレなし)

頭からすっぽりと段ボール箱をかぶり、覗き窓から世界を見る。そうやって都市を漂う人間を「箱男」と呼びます。

自らも箱男となった男は、ノートに記録を書き続けています。見る側でありながら、見られない存在になったのです。

しかし彼の前に、偽物の箱男が現れます。さらに軍医と看護師が関わり、誰が本物なのか、誰が書いているのかが分からなくなっていきます。

ここが見どころ

27年越しの実現

1997年に撮影直前で中止となった企画です。同じ監督と主演で実現したという経緯自体が作品の背景になっています。

覗き窓の映像

箱の中からの視界が繰り返し映されます。見ることと見られることの非対称が、映像の形式として提示されます。

永瀬正敏

顔がほとんど映らない役です。声と身体だけで人物を成立させています。

この映画について:段ボール箱をかぶって、都市を歩き回る男。

安部公房の原作は、語り手が誰なのか分からなくなる小説です。映画もその構造をそのまま持ち込んでいるため、極めて分かりにくい。

分かりやすくしなかったことは評価できます。整理してしまえば、この原作を映画化する意味がなくなります。混乱を混乱のまま提示したのは正しい判断でしょう。

一方で、観客にとっては辛い。物語を追おうとすると必ず迷子になります。雰囲気と映像を味わう作品と割り切る必要があります。

27年越しに実現したという事情を知っていると、画面の熱量の理由が分かります。執念で作られた映画です。

この作品の良さ

  • 原作の混乱をそのまま持ち込んだ姿勢
  • 覗き窓を使った映像形式
  • 永瀬正敏の顔を見せない演技
  • 27年越しに実現した執念

当サイトの評価

3.6/5.0

段ボール箱をかぶって、都市を歩き回る男。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本3.4
映像美4.2
音楽3.8
演技3.9
余韻3.6

世間ではどう評価されているか

原作
安部公房 の小説
備考
1997 年の企画が実現
公開
2024

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

安部公房の小説を原作とする作品です。1997年に撮影直前で中止となった企画が、同じ監督・主演で27年後に実現しました。

難解さについては公開時から指摘されており、評価が分かれています。

こんな人におすすめ

  • 安部公房の原作を読んだ人
  • 難解な作品に耐えられる人
  • 石井岳龍の作品が好きな人

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