EVERYWHEREALL AT ONCE
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
コインランドリーを営む移民女性が、並行世界の自分の能力を借りて戦う。悪ふざけの密度と、母娘の話の真面目さが同居する。
音楽と映像の圧が強い作品です。落ち着いた伝記ではありません。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
病床のトム・パーカー大佐が語り始めます。彼は自らを「エルヴィスを作った男」と名乗ります。
ミシシッピの貧しい家に育った少年は、黒人街の教会とブルースから音楽を学びました。腰を振る歌い方は、白人社会に衝撃を与えます。
パーカーは彼をスターに押し上げますが、同時に契約で縛り、海外公演を許さず、ラスベガスに閉じ込めていきます。
初期の楽曲は本人の歌唱が使われています。この役でアカデミー主演男優賞にノミネートされました。
黒人音楽からの影響を明示します。「白人が黒人音楽で成功した」という構造を、避けずに描いています。
黒革の衣装での復活公演。ここが映画の頂点です。
語り手を搾取した側に置くという構成が優れています。観客は最初から、この語りが信用できないことを知りながら聞くことになります。
バズ・ラーマンらしく編集は極端に速く、前半は情報が洪水のように流れます。ここで脱落する人はいるでしょう。
難点は159分の長さと、後半の失速です。ラスベガス期が長い。
語り手は、彼を食い物にしたマネージャー。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.7 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.8 |
| 演技 | 4.6 |
| 余韻 | 4.1 |
第95回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞を含む8部門にノミネートされました。
音楽伝記映画としては世界的に高い興行成績を記録しています。
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